名古屋フィルハーモニー交響楽団第373回定期演奏会
 レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ  『ロンドン交響曲』
2010年10月23日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

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   名古屋フィルハーモニー交響楽団第373回定期演奏会
   2010年10月23日(土)4:00PM愛知県芸術劇場コンサートホール

   指揮:マーティン・ブラビンス
   ヴァイオリン:ジェニファー・パイク

チマローザ:歌劇《ロンドンのイタリア女》序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 作品64
ヴォーン・ウィリアムズ:ロンドン交響曲(交響曲第2番)

 名フィルの定期演奏会「都市と音楽シリーズ」、今回はロンドンがテーマです。

 プログラムに拠れば、指揮のマーティン・ブラビンスはロンドンで指揮法を学び、リーズ国際コンクール(1988年)で優勝後、英国を代表する俊英音楽家としてのキャリアを積んできた人で、現在はベルギーのロイヤル・フランダース・フィルの首席客演指揮者を勤めているそうです。

 チマローザの序曲は曲が終わっても拍手が無いのに驚きましたが、プログラムを読むと3つの楽章で構成されているそうです (@o@)。

 ソリストのジェニファー・パイクは20歳でオックスフォード大学の学生。
 長身でジャクリーヌ・デュプレに似ていると思いました。
 イギリスではデュプレタイプの人が美人とされている、と読んだことがあります。

 パイクの音は繊細で、弓を返すときでも音が途切れないのは不思議でした。
 「継ぎ目のない絹のような音」でしょうか。
 演奏自体は普通かと思いましたが、終わったあとが本当に嬉しそうで、こちらも幸せになりました (^_^) 。
 「アリガトウ」ということで、バッハの無伴奏曲(「サラバンド」と聞こえたような)が演奏されました。

 レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872~1958年)の作品を聴くのは初めてです。
 「Ralph」は「ラルフ」だと思うのだけれども、本人が古風な発音の「レイフ」にこだわったということです。

 『ロンドン交響曲』は最初と最後に有名なビッグベンの鐘の音「ドミレソ~ ドレミド~」がハープで演奏され、ロンドンの一日を描写した音楽かと聴いていました。
 映画音楽風で、形式的には纏まっていないけれども、聞きやすい曲でした。

 この鐘の音ですが、プログラムの解説(水野みか子さん・名古屋市立大学大学院教授)には「ウェストミンスター寺院の鐘の音」と書かれ、ウェストミンスター寺院の写真まで載っていますが、これは間違いです。

 Wikipediaには「ビッグ・ベン (Big Ben) とは、英国の首都ロンドンにあるウェストミンスター宮殿(英国国会議事堂)に付属する時計台の大時鐘の愛称」と書かれておりまして、プログラムの表紙にはその写真が載っています(→)。

 どうも、水野さんはウェストミンスター寺院とウェストミンスター宮殿を混同してしまったようです。
 この2つは近いけれど、もちろん別の建物です。

 僕はこのビッグベンの音を1995年に聞いてその音程の悪さに驚いたのですが、今ではどうなっているのでしょう?

 何回目かのカーテンコールに、ブラビンスは小さい花束を持って現れました。
 そして、今回の定期演奏会で退団するヴァイオリンの竹田千波さんに渡し、彼女を抱きしめたのでした。
 いい人ですね (^_^) 。
 最後にブラビンスは、コンサートマスターの日比浩一さんの手にキスをしまして、たいへん驚きました (@o@)。

 本日のプログラムに来年の定期演奏会の予告が載っていました。
 これがなかなか面白そう。
 「ティエリー・フィッシャーが任期満了で、円光寺雅彦氏を正指揮者に、川瀬賢太郎氏を指揮者に迎える」という記事を読んだときは、定期会員を辞めようかなと思ったのですが、続けてみようかと思い直しました。
 
 
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