オットー・ニコライ作曲 歌劇《ウィンザーの陽気な女房たち》
2011年7月17日(日)2:00PM びわ湖ホール中ホール

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 チラシによりますと、「びわ湖ホール オペラへの招待」は ”初めてのオペラ”にうってつけのシリーズ、だそうですが、オットー・ニコライ作曲《ウィンザーの陽気な女房たち》とは、またマニアックな曲を選んだものです。

 僕なんか「これが人生最後のチャンスかも」と思って出かけたのですが、アフタートークでの大勝秀也さんのお話では、このオペラはドイツの中小のオペラハウスでは日常的に公演されている演目なんだそうです。
 2012年5月にはウィーン・フォルクスオーパーの来日公演があるようですね。

 今日は祇園祭のクライマックス、山鉾巡行の日で、京都駅には浴衣姿の女性が多く見られました。
 しかし暑い。
 山鉾巡行を見て、汗びっしょりでびわ湖ホールに駆けつけるわけにもいきません。
 「祇園祭」で京都の夏が始まって、「大文字焼き」で京都の夏が終わる、とはタクシー運転手さんの御言葉でした。

  びわ湖ホール オペラへの招待
  オットー・ニコライ作曲 歌劇《ウィンザーの陽気な女房たち》
  ドイツ語上演・日本語字幕付

  2011年7月17日(日)2:00PM
  びわ湖ホール中ホール

  指揮:大勝秀也  演出:中村敬一
  管弦楽:京都フィルハーモニー室内合奏団
  出演:びわ湖ホール声楽アンサンブルほか

 サー・ジョン・ファルスタッフ(好色な大食漢):松森 治
 フルート氏(ウィンザー市民):砂場拓也
 フルート夫人(フルート氏の妻):栗原未和
 ライヒ氏(フルートの隣人):相沢 創
 ライヒ夫人(ライヒ氏の妻):本田華奈子
 アンナ・ライヒ(ライヒ氏の娘):松下美奈子
 フェントン(貧しい青年):山本康寛
 カーユス(医者):林 隆史
 シュペアリッヒ(金持ちの息子):竹内直紀
 宿屋の女:田中千佳子

 落ちぶれてもナイトを気取る飲んだくれで太っちょのファルスタッフ。
 金を目当てにウィンザーの裕福な女房たちに言い寄るべく恋文をしたためる。
 それは宛名を変えただけで同じ文言。
 恋文を受け取ったフルート夫人とライヒ夫人は、ファルスタッフを懲らしめる計画を練る。
 (チラシより)

 《ウィンザーの陽気な女房たち》の序曲は有名で、かつて我がオケでも演奏したことがあります。
 オペラ全体も親しみやすいメロディーが多く、”初めてのオペラ”にうってつけかもしれません。

 日常的にアンサンブル活動をしている「びわ湖声楽アンサンブル」による公演なので、舞台のまとまりがとても良い。
 中でも、フルート夫人の栗原未和さんが立派な歌唱で気に入りました。

 大勝秀也さんの指揮は、さすがヨーロッパのオペラハウスで鍛えられたベテランの技。
 中村敬一さんの演出は、簡素な舞台装置ながら奥のスクリーンを使った舞台転換が上手く行っていると思いました。

 公演後にアフタートークがあり、いろいろな話が聞けて面白かった。
 
 栗原未和さんは、最初にこのストーリーはイジメだと思ったそうです。
 ラブレターを書いただけで、ファルスタッフがここまでイジメられる必要があるのか?と。

 演出家の指示は「関西のおばさんのようなイメージで」しかし「上品に」ということで悩んだ‥‥というところで、中村さんから「関西のおばさんのように上品に演じなさい、ということです」というフォローが入って、関西のおばさんがいっぱいの会場は大笑い (^_^) 。
 
 中村さんからは、最近の読み替え演出ではなく、音楽を楽しむことが出来る演出を目指している。
 しかし、普通の演出でお客さんに喜んでもらう舞台を創るのは難しいという御言葉がありました。
 確かに段取りで面白くない演出に出会うことも、よくありますからね。
 

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