山田和樹 & 名フィル 「マンフレッド交響曲」 超弩級!
2012年3月14日(水)6:45PM 名古屋市民会館

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 かねてから聴きたいと思っていた山田和樹さんの演奏をやっと聴くことができ、超弩級の演奏に圧倒されました。

 名フィル <チャイコフスキー・ツィクルス Ⅳ>
 2012年3月14日(水)6:45PM 名古屋市民会館
 指揮:山田和樹
 独奏:郷古 廉(GOKO sunao)

チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35
チャイコフスキー: マンフレッド交響曲 作品58
           [スヴェトラーノフ版]

 山田和樹さんは1979年、神奈川県生まれ。
 2001年、東京芸術大学音楽学部指揮科卒業。
 指揮法を小林研一郎と松尾葉子に師事する。
 2009年9月17日、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝した。

 ヴァイオリン協奏曲は郷古 廉さんの弱音器を付けたような音色が気になりましたが、山田さんの好サポートを得て、フィナーレは盛り上がりました。

 「マンフレッド交響曲」を聴くのは初めて。
 「のだめカンタービレ」で千秋真一が指揮した曲かと思っていたら、彼が指揮したのはシューマンの「マンフレッド序曲」でした (^_^ゞ。

 「マンフレッド」はイギリスの詩人バイロンの長編詩劇の主人公。
 「マンフレッド交響曲」は1885年(「交響曲 第4番」と「交響曲 第5番」の間)に作曲されたチャイコフスキー唯一の標題交響曲だそうです。
 『白鳥の湖』を思い出させるメロディも聞こえてきました。

 山田さんの指揮はまったく素晴らしいものでした。
 クライマックスに到達したオーケストラに山田さんがなおも一鞭入れると、オーケストラが爆発するような感じでしょうか。

 名フィルも3月10日の389回定期定期演奏会とは別のオーケストラです。
 円光寺さんには申し訳ないが、円光寺さんだって一生懸命振っていて、オーケストラだって大きい音を出している。
 しかし、出てくる音はまったく別のオーケストラ。
 指揮って本当に不思議です。

 ハープの分散和音で始まったアンコールは『くるみ割り人形』の「情景(冬の松林)」という曲で、あまりの美しさに痺れ上がりました。

 日本にも凄い指揮者が出てきたものです。
 山田さんはスイス・ロマンド管弦楽団の主席客演指揮者、日本フィル正指揮者に就任される予定だそうです。

 さしあたり、3月21日(水)に豊田市コンサートホールで開かれる東京フィルハーモニー交響楽団特別演奏会には行かなくては。
 『幻想交響曲』は「マンフレッド交響曲」よりずっと名曲ですからね。
 小澤さんの《蝶々夫人》がキャンセルになった方には、ぜひお薦めしたいと思います。