ヴィルデ・フラング ヴァイオリン・リサイタル
2012年5月14日(月)7:00PM   電気文化会館コンサートホール

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 ヴィルデ・フラング ヴァイオリン・リサイタル
 2012年5月14日(月)7:00PM
 電気文化会館コンサートホール

 モーツァルト:ヴァイオリン伴奏のクラヴィア・ソナタ ヘ長調 K.377
 フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ長調
 ブラームス:ハンガリー舞曲集より
 プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ長調

 ピアノ:ミハイル・リフィッツ

 ヴィルデ・フラングは1986年ノルウェー生まれ。
 10 歳でノルウェー放送交響楽団との共演でオーケストラ・デビュー。
 2007年にはアンネ=ゾフィー・ムターと共演し、スカンジナヴィアとドイツでのツアーでバッハの二重協奏曲を演奏して大成功をおさめた。
 2011年3月初来日、NHK交響楽団との共演は絶賛を博した。
 アンネ=ゾフィー・ムターの秘蔵っ子として彼女の財団から貸与されているジャン=バティスト・ヴィヨーム製作のヴァイオリンを使用している。

 2曲目のフォーレを聴きました。
 登場したヴィルデ・フラングは金髪、白い肌の北欧美人。
 しかし、最初の脱力系の音を聴いて、僕はがっかりしてしまいました。
 音楽的なパワーが無い。
 強い部分は力のこもった音なのですが、弱い部分になるとパワーが落ちてしまします。

 10日前にパトリシア・コパチンスカヤの巨大な音楽的パワーに圧倒された僕にとって、このような演奏はとても満足できるものではありませんでした。
 今までの人生で世界最高クラスの音楽家達を聴いてきたために、普通の音楽家では満足できなくなっている。
 これは一種の副作用でしょうか?
 ということで、前半だけで帰ってきました。

 1982年ウズベギスタンのタシケント生まれのピアニスト、ミハイル・リフィッツはフォーレの複雑な分散和音の中からメロディーラインをくっきりと浮き立たせた、良いピアニストかと思いました。