ヘンシェル弦楽四重奏団 ベートーヴェン弦楽四重奏全曲シリーズ(Ⅱ)
2012年6月9日(土)7:00PM サントリーホール ブルーローズ

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 この日はサントリーホール大ホールで、6:00からゾルタン・コチシュ指揮する東京交響楽団を聴きました。
 前半を聴いてあまり面白くありませんでしたが、後半はバルトークの『管弦楽のための協奏曲』。
 ハンガリー人であるコチシュのバルトークには興味がありました。

 休憩時間にロビーをうろついていたら、サントリーホールには「ブルーローズ」という小ホールがあって、こちらは7:00からヘンシェル弦楽四重奏団によるベートーヴェン弦楽四重奏全曲シリーズの2日目が行われていました。
 時間的にはコチシュの『管弦楽のための協奏曲』とベートーヴェン弦楽四重奏曲第16番がバッティングしているようです。
 しばし考えまして、弦楽四重奏曲第16番を選んでしまいました。

 ヘンシェル弦楽四重奏団 ベートーヴェン弦楽四重奏全曲シリーズ(Ⅱ)
 2012年6月9日(土)7:00PM サントリーホール ブルーローズ

 第2番 ト長調 Op18-2
 第16番 ヘ長調 Op135
 第4番 ハ短調 Op18-4
 第9番 ハ長調 Op59-3「ラズモフスキー第3番」

 サントリーホール ブルーローズは平土間で、いつものように後ろの端を選んだら、ステージが見にくかったです (^_^; 。

 ヘンシェル弦楽四重奏団は1988年にヘンシェル3姉弟を中心に結成され、1994年にチェロにマティアス・バイヤー・カルツホイが参加。
 ヘンシェル姉弟はドイツ、ジンデルフィンゲン(どこだ?)生まれ。
 マティアス・バイヤー・カルツホイはヘルデッケ(どこだ?)生まれ。

 フランツ・バイヤー氏、アマデウス四重奏団の元で研鑽を積み、後にはアルベン・ベルク、ラサール、メロスという名カルテットの薫陶を受ける。
 第2ヴァイオリンのマルクス・ヘンシェルは体調を崩し、今年、ベルリンフィル団員でペーターセン四重奏団のメンバーであったダニエル・ベル(ノッティンガム生まれ)を正式メンバーに加えた。

 ヘンシェル弦楽四重奏団は4人のメンバーすべてが個人的に高い技術を持ち、また団体としても高い合奏能力を持つ素晴らしい弦楽四重奏団でした。
 ふつう、弦楽四重奏団は第一ヴァイオリンの技術が高くてリーダーとなり、第2ヴァイオリンとヴィオラは少しずつレベルが落ちるものです。
 しかし、ヘンシェル弦楽四重奏団にはそのようなことが無く、同じパッセージが各楽器に受け継がれるときなど、落差を感じることが全くありませんでした。

 初めて実演を聴いた弦楽四重奏曲第16番も良かったけれど、やはり中期の大傑作「ラズモフスキー第3番」が圧倒的。
 第4楽章の難かしいフーガを速いテンポで弾ききって、その技術的にも音楽的にも完璧と思われる演奏に圧倒されました。

 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲4曲を演奏し、終演時間は9時30分でした。
 しかも、その最後が「ラズモフスキー第3番」だから、スタミナがありますね。
 世界でもトップクラスの弦楽四重奏団を、また見つけました。

 ところが、インターネットを検索してみると、ヘンシェル弦楽四重奏団は2010年11月に宗次ホールで演奏しているんですね (@o@)。
 この演奏会をパスしてしまったことを残念に、そして恥ずかしく思い、宗次ホールのコンサートは何でも行かなくてはと、本日(6/12)も宗次ホールのチケットを買い増してしまいました (^_^) 。
 これからは宗次ホールを信じて付いていこうという心境です。