アドリアン・ユストゥス & 黒沼ユリ子 「千の音色でつなぐ絆」プロジェクト
2013年1月21日(月)6:45PM 宗次ホール

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   アドリアン・ユストゥス & 黒沼ユリ子
     「千の音色でつなぐ絆」プロジェクト
 2013年1月21日(月)6:45PM 宗次ホール

 ヴァイオリン:アドリアン・ユストゥス
         黒沼ユリ子(賛助出演)
 ピアノ   :ラファエル・ゲーラ

 メシアン:主題と変奏曲
 イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第4番
 ラヴェル:ヴァイオリンソナタ/ツィガーヌ
 ベラスケス:序奏と舞曲(無伴奏曲)
 サン=サーンス:ハバネラ
 ヴェニアフスキ:スケルツォタランテラ
 ショスタコーヴィチ:3つの二重奏曲
 サラサーテ:“ ナヴァラ”(二重奏)

 アドリアン・ユストゥス(ヴァイオリン)はメキシコ市生まれの42歳
 幼少より音楽的環境に恵まれた家庭に育ち、11歳で「アカデミア・ユリコ・クロヌマ」に入り、黒沼ユリ子に師事。
 1985年「日本メキシコ友好コンサート」で初訪日。
 楽器は1744年製グアルネリ デル ジェス”Lord Coke”を使用。

 黒沼ユリ子さんは1940年、東京生まれの72歳。
 1956年、桐朋学園高校音楽科1年で日本音楽コンクール第1位及び特賞を受賞。
 その後、1958年よりプラハ音楽芸術アカデミーに留学する。
 1980年メキシコシティに「アカデミア・ユリコ・クロヌマ」を開校し、メキシコを本拠に世界各地で音楽活動を行っている。

 ラファエル・ゲーラはメキシコ生まれのピアニスト。
 フェリス女学院大学の客員教授を努める。

 アドリアン・ユストゥスは高度な技術を持つヴァイオリニストですが、黒沼さんとの二重奏(ショスタコーヴィチ、サラサーテ)の方が面白く聴くことができました。
 これは「千の音色でつなぐ絆」プロジェクトの一環として行われ、東京のコンサートでは皇后陛下が臨席されました。
 「千の音色でつなぐ絆」プロジェクトは、東日本大震災の被災者支援のために、ヴァイオリンドクターの中澤宗幸氏が発案者となり、津波で無残に流され、瓦礫と化してしまった流木でヴァイオリンを製作し、千人のヴァイオリニストがリレーのようにその楽器を受け継ぎながら、千の音色を奏でその思いを繋げていくプロジェクトです。
 ヴァイオリンの裏には陸前高田の「奇跡の一本松」が描かれ、黒沼さんのお話では魂柱に「奇跡の一本松」が使われているそうです。

 音色も美しく、イタリアの名器だと言われても納得できてしまう楽器でした。