名古屋フィルハーモニー交響楽団第402回定期演奏会
指揮:川瀬賢太郎 クラリネット:アンドレアス・オッテンザマー
2013年 5月18日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場 コンサートホール

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 名古屋フィルハーモニー交響楽団第402回定期演奏会
 2013年 5月18日(土)4:00PM
 愛知県芸術劇場 コンサートホール

 指揮:川瀬賢太郎
 クラリネット:アンドレアス・オッテンザマー

 <水・土-廻る水と北の大地>
・細川俊夫: 循環する海
・ウェーバー: クラリネット協奏曲第1番ヘ短調
・バッハ[エルガー編]: 幻想曲とフーガ ハ短調
・メンデルスゾーン: 交響曲第3番イ短調『スコットランド』

 指揮者の川瀬賢太郎さんは2006年の東京国際音楽コンクールで1位なしの2位に入賞されました。
 そして、2007年~09年にかけて、PMFでアシスタント・コンダクターを勤められました。
 この時に指導者としてPMFに参加された細川俊夫さんから、川瀬さんは指揮者として信頼を受けるようになりました。
 そして2012年1月にはオペラ『班女』広島公演、12月にはオペラ『大鴉』オランダ初演などを任せられるようになりました。

 細川俊夫さんは日本より海外での評価が高く、ウィーンフィルやベルリンフィルなどから作品の委嘱を受けています。
 「循環する海」は2005年のザルツブルク音楽祭で、ワレリー・ゲルギエフ指揮のウィーンフィルによって初演されました。
 演奏時間21分という大作でしたが、現代音楽そのもので、僕には良く分かりませんでした (^_^; 。
 演奏前に細川さんのレクチャーがあり、演奏後は舞台で拍手を受けておられました。

 クラリネットのアンドレアス・オッテンザマーさんは、22歳でベルリンフィルの主席クラリネット奏者。
 お父さんのエルンストさん、お兄さんのダニエルさんがウィーン・フィルの首席クラリネット奏者を務めるクラリネットのサレブレッド一家です。
 川瀬さんとはPMF時代からの知り合いで、夜の札幌で飲み明かした仲だそうです。
 当時のオッテンザマーさんはハーヴァードの学生だったそうです。

 長身のイケメンで、クラリネット、チェロ、ピアノのコンクールで一位入賞。
 スポーツも得意で、テニスのトーナメントプレイヤーとして活躍するほか、兄のダニエルさんとフットボールクラブを起ち上げているそうです。
 ハーヴァードの学生だったというから頭も良さそうだし、スーパーマンですね。

 お父さんのエルンスト・オッテンザマーさんと名フィルは、2007年の定期演奏会でウェーバーの「クラリネット協奏曲第2番」を共演しています。

 アンコールではチマローザ/ベンジャミン「クラリネット協奏曲」より第4楽章「アレグロ・ジュスト」が演奏されました。

 『幻想曲とフーガ ハ短調』では、バッハのオルガン曲を2台のハープまで含む巨大編成オーケストラに編曲したエルガーのアイディアと能力に感心し、面白く聴かせて頂きました。
 
 『スコットランド』は川瀬さんにとって初めて指揮する曲だそうですが、いつものように大変良い出来の演奏だったと思います。
 特に第3楽章にジーンと来ました。
 川瀬さんと名フィル、次の共演(いつ?)が楽しみです。