名古屋フィルハーモニー交響楽団第405回定期演奏会
指揮:マーティン・ブラビンズ  ピアノ:上原彩子
2013年 9月21日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場 コンサートホール

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 名古屋フィルハーモニー交響楽団第405回定期演奏会
 2013年 9月21日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場 コンサートホール

 指揮:マーティン・ブラビンズ
 ピアノ:上原彩子(うえはら あやこ)

 <火-始まりの花火と黄金の羽根>
 ナッセン: 花火と華麗な吹奏 作品22
 プロコフィエフ: ピアノ協奏曲第2番ト短調
 ストラヴィンスキー: バレエ『火の鳥』全曲

 ナッセンの曲は現代音楽でしたが、演奏時間が5分と短くて、僕としては助かりました (^_^ゞ。

 プロコフィエフのピアノ協奏曲といえば第3番が有名で、大学院時代に作曲した第2番は演奏される機会が少ない。
 はたして、あまり面白みのない曲でした。

 Wikipedia等によれば上原彩子さんは1980年、香川県高松市出身。
 岐阜県各務原市育ちで、岐阜県立各務原西高等学校卒業。
 3歳からピアノを始め、1990年よりヤマハマスタークラスに入会。
 2002年の第12回チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門にて日本人として初めて、かつ女性として世界で初めての優勝を果たし、クラシック音楽界のみならず各方面で話題を呼んだ。
 音楽大学に入学、卒業していないという、日本人ピアニストとしては異色の経歴を持つ。
 私生活では2005年にピアノ調律師の斎藤孝史と結婚。現在は三児の母である。

 後半のプログラムは『火の鳥』全曲。
 組曲はアマチュアオーケストラの演奏会でよく聴かれますが(僕でも演奏したことがあります)、全曲演奏とは珍しく、ブラビンズの意欲を感じさせる演目です。
 
 今までに聴いた演奏から、ブラビンズはアンサンブルをきちっとまとめて、しかし音楽の幅には枠がある指揮者(ジェントルマン)かと思っていました。
 しかし今回の『火の鳥』全曲は、現在の名フィルの持てる力を出し切った、レベルの高い演奏でした。
 舞台全体に多数の人数、楽器が並んだ編成は、それだけですでに記念碑的演奏を期待させます。
 全曲に渡り全楽器がほぼ完璧な演奏をしたと思いますが、中でも「カスチェイの踊り」は盛り上がりますね。
 アンコールで第一に起立したのはホルンの安土さん、2番目がファゴットのシャシコフさん(子守歌のソロがある)、3番目がD管クラリネットの浅井崇子さんでした。

 定期演奏会の後にはお約束の「ポストリュード」があり、今回は上原彩子さんのピアノソロで、チャイコフスキー『四季』の9月から12月までが演奏されました。
 たくさんの曲を聴けて得をしたような、蛇足だったような。
 これから名フィル定期に来られる方は、何が起こるは分かりませんが、一応ご予定下さい。

 上原さんの演奏直前にブラビンズさんが舞台から飛び降りて客席に座り、拍手と笑い声が起こりました。
 ピアノの音色は2日前に聴いた辻井さんの方が美しかった。

 本日、来年度の定期演奏会の曲目発表がありました。
 ブラビンズさんの選んだテーマは『ファースト!』
 交響曲の1番や、ピアノ協奏曲の1番の演奏が増えるようです。