ユベール・スダーン&レイ・チェン 東京交響楽団
2013年11月3日(日)2:00PM ミューザ川崎シンフォニーホール

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 ユベール・スダーンのブルックナーはテレビで聴いて感心し、一度は実演を聴いてみたいものだと思っておりました。
 しかもソリストが、僕がラチャ・アヴァネシヤンと並んで世界最高の若手ヴァイオリニストだと思っているレイ・チェン。
 コンサートを聴くためにはあまり遠征しないのですが、この組み合わせは聴き逃すことが出来ません。
 日曜日の2時からという開演時間が嬉しいではありませんか (^_^) 。

 ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団
 名曲全集 第91回

 指揮:ユベール・スダーン
 ヴァイオリン:レイ・チェン

 2013年11月3日(日)2:00PM
 ミューザ川崎シンフォニーホール

 シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
 ブルックナー:交響曲第4番『ロマンティック』

 レイ・チェンは1989年台湾生まれの24歳。
 4歳の時にオーストラリアで鈴木メソッドでヴァイオリンを始める。
 2005年にカーティス音楽院に入学し、アーロン・ロザンド教授に師事。

 2008年のユーディ・メニューイン・ヴァイオリン・コンクールに優勝。
 審査員だったマキシム・ヴェンゲーロフに認められた。
 2008~2009年のニューヨーク国際ヤング・アーティスト・オーディションにて優勝し、1721年製ストラディヴァリ「マクミラン」の貸与を受けた。

 2009年エリザベート王妃国際コンクールにて、最年少出場者でありながら、圧倒的な評価を得て優勝。
 本年2月にはカーネギーホール・デビューを飾った。
 
 レイ・チェンのヴァイオリンは、期待どおりの力感に溢れたもので、テクニックも完璧。
 手に汗を握って聴きました。
 これほど楽器に弓の圧力を掛けて、音が崩壊しないところがすごい。
 ヴェンゲーロフのように肩を壊さないように気をつけていただきたいものです。
 アンコールのパガニーニ『カプリス21番』の演奏も驚嘆すべきものでした。
 
 ところで、第2楽章で地震がありました。
 ミューザ川崎は東日本大震災で天井の反響板が落ちたことで有名なホールですから、本震がどれくらいのものになるか、天井を見ながら身構えていましたが、それ以上の大きな揺れはありませんでした。
 
 ユベール・スダーンは1946年、オランダ・マースリヒトの生まれ。
 ブザンソン国際コンクール優勝。
 13 年間にわたるザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の音楽監督を経て2004年9月東京交響楽団の第2代音楽監督に就任。
 10年目を迎える今シーズンが音楽監督として最後のシーズンになる(2014年8月まで)そうで、どうも僕は最後のシーズンに間に合ったようです (^_^) 。
 
 スダーンは指揮棒無しで演奏し、その音楽はスケールの大きい、まったくブルックナーに相応しいものでした。
 協奏曲も交響曲も、川崎まで遠征した甲斐がありました (^_^) 。