キム・ダミ ヴァイオリンリサイタル
2014年2月8日(土)6:00PM 宗次ホール

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 ライナー・ホーネック&名フィル「ハイドン・ツィクルス」のアンコールは聴かず、タクシーで宗次ホールに向かいました。
 この頃、東京は大雪で大変なことになっていたようです。

 NPO法人イエロー・エンジェル設立11周年記念シリーズ
 キム・ダミ ヴァイオリンリサイタル
 2014年2月8日(土)6:00PM 宗次ホール

 ヴァイオリン:キム・ダミ
 ピアノ:小澤佳永

 モーツァルト:ヴァイオリンソナタ ト長調 K.301
 バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ 第3番 ハ長調
 シューマン:ヴァイオリンソナタ 第2番 ニ短調
 サラサーテ:カルメン幻想曲 作品25

・キム・ダミ(ヴァイオリン)
 韓国出身のヴァイオリニスト。 5歳でヴァイオリンを始める。
 2002年、奨学金を得てカーティス音楽院に入学し、アーロン・ロザンド氏に学ぶ。
 2011年、宗次エンジェル・ヴァイオリンコンクールで第1位、副賞としてストラディヴァリウス「レインヴィル」の貸与を受け、この楽器を手に出場した、2012年のエリザベート王妃国際コンクールではファイナリストとなった。
 2012年にはハノーファー国際ヴァイオリンコンクールで第1位。
 使用楽器:ストラディヴァリウス「ロマノフ」(1731年)NPO法人イエロー・エンジェルより貸与。

・小澤佳永(ピアノ)
 岡崎市出身。
 小学生から、高校生まで父親の仕事でアメリカ合衆国、イリノイ州にてすごす。
 帰国後名古屋市立菊里高等学校音楽科、東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻を経て同大学大学院修士課程ピアノ専攻修了。
 現在同大学管打楽科伴奏助手。

 キム・ダミさんは以前にも聴いたことがあるのですが、本日の演奏は素晴らしかった。
 何よりも一つ一つの音が充実していて、スカスカした部分が無いんです。
 僕がスカスカというのは、例えばギドン・クレーメルですね。

 このような立派な音で弾かれては、シューマンが苦手な僕が初めて聴くソナタも、内容のある曲に聞こえてしまいます。
 楽器でも歌でも、まず素材が燦めいていないとね。

 モーツァルトのヴァイオリンソナタのような簡単な曲はリサイタルで聴きたくはないのですが、それにしても「ト長調 K.301」の回数が多い。
 3月29日(土)にもこの宗次ホールでこの曲を聴くことになっています。
 どうしてこの曲が数多く弾かれるのか?
 実はこの曲は「モーツァルト/ヴァイオリンソナタ集」の楽譜の最初に載っている曲なんですよ。
 その影響は強いと思います。

 2013年4月25日(木)にこのホールで聴いた、ラチャ・アヴァネシヤン演奏するワックスマンの「カルメン幻想曲」のすさまじさに圧倒されましたが(このプログラムはクラシック倶楽部で放映されました)、本日のサラサーテ作曲「カルメン幻想曲」も素晴らしい演奏で、会場は大いに盛り上がりました。

 小澤佳永さんのピアノも素晴らしかった。
 キム・ダミさんは身長の高い方で、小澤さんは小柄な方。
 見た目にコントラストがありました。

 アンコールの前にキム・ダミさんのメモを読みながらのスピーチがありました。
 「私はこの楽器を宗次さんに借りています。だからこのホールで演奏できてとても嬉しいです」とのことでした。
そしてアンコールは、チャイコフスキー:感傷的なワルツ でした。