ラチャ・アヴァネシヤン ヴァイオリンリサイタル
2013年4月25日(木)6:45PM 宗次ホール

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 2011年9月17日のリサイタルを聴いて、すっかり痺れ上がってしまったラチャ・アヴァネシヤンの再来日です。
 僕はウィークデイは夜の仕事があって、後半だけしか聴けないんですが、アヴァネシヤンを1曲でも聴き逃すことは人生の損失です。
 途中で仕事を抜け出して、宗次ホールに駆けつけました。

 ラチャ・アヴァネシヤン ヴァイオリンリサイタル
 2013年4月25日(木)6:45PM 宗次ホール

 ピアノ:リリー・マイスキー

・ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調
・ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調

・ファリャ/クライスラー 編:歌劇「はかなき人生」より“スペイン舞曲”
・サン=サーンス/編曲者不明:歌劇《サムソンとデリラ》より “カンタービレ”
・チャイコフスキー/アウアー編:歌劇《エフゲニー・オネーギン》より “レンスキーのアリア”
・リヒャルト・シュトラウス/ミッシャ・マイスキー 編:モルゲン(明日)
・ワックスマン:カルメン幻想曲

 リリー・マイスキーに続いて舞台に現れたアヴァネシヤンは、革ジャン姿のライダー風 (@o@)。
 右手の弓で強く弦を圧迫するその深みのある力強い音は、相変わらずの魅力的なもので、かつてのヴェンゲーロフを思い出させます。
 ヴェンゲーロフのように肩を壊さないようにしていただきたいものです。

 今回のリサイタルではテクニックを見せるより歌う曲目が多く演奏されました。
 僕は《サムソンとデリラ》の『君が御声に心は開く』が大好きで、マリリン・ホーンのDVDを何度も繰り返し聴いたものです。
 今回の演奏はアリアをそのまま演奏したものでしたが、「僕とアヴァネシヤンは趣味が合うのだ」と嬉しく聴いてきました (^_^ゞ。

 アヴァネシヤンは最後の『カルメン幻想曲』で完璧なテクニックを見せつけました。
 ダウンのスタッカートが凄かったですね。

 フランツ・ワックスマン(1906~1967)はハリウッドで活躍した作曲家で、『サンセット大通り』(1950年)などで2年連続アカデミー賞を受賞。
 『カルメン幻想曲』は映画『ユーモレスク』(1947年)に登場するもので、もともとはハイフェッツのために書かれた曲だそうです。
 だからハイフェッツが得意としたダウンのスタッカート(神業!)なのか。

 前回の来日ではピアニストにリリー・マイスキーが予定されていたのですが、放射能の関係なのでしょうか、来日を取りやめてしまいました。
 それだけに今回の演奏には興味がありました。

 少し弱さを感じる部分もありましたが、相手がアヴァネシヤンでは致し方ないでしょうか。
 ステージ上では、アヴァネシヤンがお姉さんのマイスキーの言うことを聞いている感じでしたね。

 アンコールはリリー・マイスキーのアナウンスで、『おくりびと』が演奏されました。
 僕はこの曲が大好きで、何度もDVDを見直して、2010年8月には『ロケ地ツアー』にも行ってきました。
 原曲はチェロの曲なのにわざわざヴァイオリンでアンコールとは、「僕とアヴァネシヤンは趣味が合うのだ」とまたまた嬉しく聴いてきました (^_^ゞ。

 NHK BSプレミアム クラシック倶楽部では、5月31日(金)の 6:00~6:55 に、トッパンホールでのコンサート(4/24)が放送されますので、お見逃しのないように。