辻井伸行 プレミアム・リサイタル 名古屋公演
 2014年7月21日 (月祝)1:30PM 三井住友海上しらかわホール

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 しらかわホールは693席の中ホールだけあって、チケット争奪戦は熾烈でした。
 目の前でコンピュータの空席が消えていきます。
 ランラン、ユンディ・リなどチケット争奪戦に参加しましたが、辻井さんは勢いが違う。
 その日の午前にはほぼ売り切れとなってしまいました。

 「プレミアム・リサイタル」と題された全10公演の千秋楽になります。

 辻井伸行 プレミアム・リサイタル 名古屋公演
 2014年7月21日 (月祝)1:30PM
 三井住友海上しらかわホール

 ラヴェル:ソナチネ、夜のガスパール
 ショパン:バラード第4番、ピアノ・ソナタ第3番

 コンサート後のスピーチでは、「今回のコンサートは初めて自分の演奏したい曲を選んだコンサートで、少し難しく感じられた方もあるかとは思います」とのことでした。
 
 辻井さんの演奏は、美しい弱音からピアノの限界を超えるようなフォティッシモまで、スケールの大きい素晴らしいものでした。

 中でも、大好きなショパン「ピアノ・ソナタ第3番」の第3楽章。
 中間部のアルペジオで音が下がって行く部分。

 ここは感情的な盛り上がりのためテンポが速くなっていくピアニストが多いんです。
 辻井さんはテンポが速くなることは無く、それでいて音はいつの間にか巨大なエネルギーのフォルティッシモになって、我々を圧倒するんです。

 この曲では2012年5月15日に聴いたギャリック・オールソンの修行僧のような演奏が、強く印象に残っています。

 アンコールは「ラヴェル:水の戯れ」、「ショパン:エチュード第1番」、「ノクターン(遺作)」。
 力強いエチュード、優しいノクターン、どの曲も素晴らしい演奏でした。
 辻井さんは最後にピアノのふたを自分で閉められて、コンサートは終了しました (^_^) 。

 8月30日(土)に愛知県芸術劇場コンサートホールで予定されている「コンポーザーピアニストフェスティバル★2014」もソールドアウトです。