戸田弥生&エル=バシャ デュオリサイタル 2015年5月13日(水)6:45PM 宗次ホール |
僕は一時、今は亡き梅崎史子さんが主催しておられた「コンセール・アン・ルージュ」というグループに所属していたことがあります。 梅崎さんは作家梅崎春生氏の長女で、昭和62年(1987年)に「スタニスラフ・ブーニン」という本を出版されまして、その本に感心して感想文を送ってからのお付き合いでした。 その梅崎さんが晩年に絶賛して、応援しておられたのがアブデル・ラーマン・エル=バシャで、テレビでは見たことがあるけれど、一度は実演を聴かなくてはと思っていました。 戸田弥生&エル=バシャ デュオリサイタル ![]() 2015年5月13日(水)6:45PM 宗次ホール ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ 第5番 ヘ長調「春」 シューマン:ヴァイオリンソナタ 第2番 二短調 フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調 アブデル・ラーマン・エル=バシャは1958年レバノンのベイルートに生まれる。 10歳でクラウディオ・アラウに将来を嘱望され、1974年、パリ音楽院に入学。 1978年、エリザベート王妃国際コンクールで審査員全員一致による優勝、併せて聴衆賞を受賞する。 エリザベート王妃国際コンクール、ジュネーヴ国際音楽コンクールの審査員、エリザベート王妃音楽院ピアノ科教授を務める。 戸田弥生さんは1968年、福井市生まれ、4歳からヴァイオリンを始める。 1985年第54回日本音楽コンクール第1位。 桐朋学園大学音楽学部を首席で卒業し、アムステルダムのスウェーリンク音楽院に留学。 1993年エリザベート王妃国際音楽コンクールに優勝して一躍注目を集めた。 桐朋学園大学音楽学部非常勤講師、フェリス女学院大学音楽学部演奏学科教授を務める。 期待のエル=バシャは高い技術を持つものの、普通の上手なピアニストに聞こえました。 伴奏ピアニストで仰天したのは、2010年12月9日に聴いた、まだ有名になる前のメナヘム・プレスラーでしたね。 「春」やフランクは今までに素晴らしい演奏家を聴いてきていますので、本日のプログラムでは初めて聴くシューマンのヴァイオリンソナタ 第2番が、彼らの音楽性に合った演奏かと思いました。 41歳にしてすでに晩年を迎えたシューマンが精神衰弱に苦しみながら書き上げた最後の時期の作品だそうで、同じメロディーの繰り返しが多いような気もしましたが、作品全体にロマンティックで重厚な曲かと思いました。 アンコールはベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第6番第2楽章「アダージョ・モルト・エスプレッシーヴォ」でした。 |