NDR放送交響楽団(ハンブルク北ドイツ放送交響楽団)
 2015年6月6日(土)3:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール
トーマス・ヘンゲルブロック & アラベラ・美歩・シュタインバッハー

「REVIEW15」に戻る  ホームページへ
 
 
 北ドイツ放送交響楽団には忘れられない思い出があります。
 あれは1990年11月10日、名古屋市民会館大ホール。
 僕はギュンター・ヴァント指揮する北ドイツ放送交響楽団による「ブルックナー8番」を聴いたんです。
 当時のヴァントは78歳 ?
 晩年ほどのスターダムにも乗っておらず、会場はおよそ半分の入りだったでしょうか。
 しかし、そこで繰り広げられた「神憑り」的な演奏に僕は打ちのめされました。
 そして、「これ以上の演奏を聴くことはないのだから、もうオーケストラを聴く必要はない」との心境に達し、しばらくオペラ&ミュージカルの道を進むようになったんです。


 NDR放送交響楽団
 2015年6月6日(土)3:00PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指揮:トーマス・ヘンゲルブロック
 ヴァイオリン:アラベラ・美歩・シュタインバッハー

 ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」
 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
 ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調

 アラベラ・美歩・シュタインバッハーは2011年5月11日に聴いたことがあり、優れたヴァイオリニストだと思っています。
 本日も期待していったのですが、メンコンは音楽がさらさらと流れていくような、普通の演奏に感じられました。
 期待が大き過ぎ過ぎたのでしょうか?
 メンコン自体がそのような性格を持つ曲なのでしょうか。

 ソロ・アンコールはクライスラー作曲の「レチタティーヴォとスケルツォ」という聴いたことの無い、無伴奏で技術的にも内容的にも難しそうな曲でした。
 アラベラ・美歩・シュタインバッハーはこの曲を自由闊達に弾き上げ、メンコンはオーケストラに気を遣いすぎたのかな?と思いました。

 ハンブルク北ドイツ放送交響楽団(NDR)は1945年創立。
 初代首席指揮者ハンス・シュミット=イッセルシュテットが四半世紀以上にわたって君臨し、1970年代にモーシェ・アツモン、クラウス・テンシュテットが首席指揮者を務めた後、1982年に首席指揮者に任命されたギュンター・ヴァントが、2002年に死去するまで20年にわたってNDRの活動を主導し続けた。
 
 トーマス・ヘンゲルブロックは1958年にニーダーザクセン州に属するヴィルヘルムスハーフェンに生まれた。
 2011年7月にバイロイト音楽祭で新演出のワーグナーの《タンホイザー》を指揮して音楽祭デビューを飾ったが、この年限りで降板した。
 2011年9月からは伝統あるハンブルク北ドイツ放送交響楽団(NDR)の首席指揮者に就任した。

 「ベト7」は颯爽とした音楽でしたが、一本調子にも聞こえました。
 第4楽章を速いテンポでぶっ飛ばし、最後を最強音で終われば、万雷の拍手が来るとは、成功間違い無しの曲ですね。

 何度もヘンゲルブロックが入退場を繰り返し、始まったアンコールは「ハンガリー舞曲の5番」。
 ブラームスの故郷ハンブルクのオーケストラという本場物の演奏ですから、有り難く聴いてきました。
 曲が終わったとたんに客席の照明が一斉に点いたのは初めての体験で、ビックリしましたが、分かり易くて、すぐにホールを出ました。