名フィル第425回定期演奏会 ティエリー・フィッシャー & 三浦文彰 2015年6月20日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール |
僕はラヴェルが好きなんですが、本日は苦手な曲目が並んでしまいました。 それなのに、観客はよく入っていました(9割近く)。 どうして?‥‥指揮者? ソリスト? 曲目? ![]() 名フィル第425回定期演奏会 <オーケストレーションの魔術師たち-1> 2015年6月20日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール 指揮:ティエリー・フィッシャー (名フィル名誉客演指揮者) ヴァイオリン:三浦文彰 ラヴェル: 高雅にして感傷的なワルツ サン=サーンス: ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調 作品61 ラヴェル: 道化師の朝の歌 ドビュッシー/ジャレル編]:3つの練習曲(第9番「反復音のために」、第10番「対比的な響きのために」、第12番「和音のために」) ラヴェル: ボレロ 三浦文彰さんは東京都出身。 2009年ハノーファー国際コンクールにおいて、史上最年少の16歳で優勝し、大きな話題となりました。 ザハール・ブロン、ジャン=ジャック・カントロフ、チョー・チャン・リンらに師事する。 2014年4月19日の名フィル第412回定期演奏会でシベリウスの協奏曲を聴いたことがありますが、技術的にはしっかりしているが音楽はおとなしかった印象が残っています。 驚いたのはアンコールで弾かれたパガニーニ作曲:パイジェルロの『水車小屋の娘』の「うつろな心」による変奏曲、というソロの曲。 左手のピッチカートとか、難しい演奏技巧を完璧に弾きこなし、畏れ入りました。 本日のサン=サーンスは前回より音楽に自信が付いた感じで、フィッシャー&名フィルの好サポートを得て、素晴らしい演奏を聴かせていただきました。 第2楽章「バルカローレ」から第3楽章のフィナーレにかけて、大変に盛り上がりました。 楽しみにしていたアンコールは、パガニーニ作曲、パイジェルロの『水車小屋の娘』の「うつろな心」による変奏曲でした。 2年連続とはね (@o@)。 僕はアマオケで第2ヴァイオリンを弾いていたのですが、第2ヴァイオリンにとって『ボレロ』という曲は、簡単で練習が苦痛な曲でした。 最初から半分以上はお休みで、出てきたらピッチカートでリズム、弓を持ってもリズムだけ。 第1ヴァイオリンなら、最後に少しメロディー(簡単)を弾かせてもらえるんですけれどもね。 これが「オーケストラの魔術師」の作品かと呆れました。 しかし、管楽器は難しそうで、特にトロンボーンのソロの難易度が有名です。 1984年に発表された由良三郎『運命交響曲殺人事件』は、アマオケの演奏会一曲目、運命交響曲のダ、ダ、ダ、ダーンとともに、指揮台が爆発するという殺人事件。 容疑者の一人として挙がったのが、指揮者によって『ボレロ』のソロを降ろされたトロンボーン奏者でした。 このオーケストラは本番当日にゲネプロをしないわけで、作者の由良三郎さんはアマオケのことを知らない人だと思いました。 本日のトロンボーン(田中宏史さん=名フィル首席)の出来は、本人にとって悔いが残るものだったでしょう。 アンコールに立ち上がるのも躊躇している感じでした。 小太鼓を叩いたのはジョエル・ビードリッキーさん。 この人のことも名フィル第412回定期演奏会に書かせていただきました。 |