中日劇場「吉幾三 納涼公演」
2015年7月8日(水)4:00PM

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 漆原朝子さんのリサイタル(宗次ホール)の後で、近くの中日劇場の「吉幾三納涼公演」に行ってってきました。
 吉幾三は青森県金木町が生んだ、太宰治と並ぶ有名人です。
 吉幾三の家には『太宰治の旅』のついでに寄ったことがあますが、白塗りの外装で、ホワイトハウスと呼ばれていました。

 中日劇場「吉幾三納涼公演」
 2015年7月8日(水)4:00PM

 前半は『深川年増~風流めおと芝居』(作:北条秀司)なる人情芝居で1時間半。
 主な共演者は左とん平、芦川よしみ、田口計、熊谷真美、の皆さんでした。

 30分の休憩を置いて、後半は『吉幾三オンステージ 世界を唄う2015』で、1時間半の歌謡ショー。
 吉さんはほぼ出突っ張りで、これを1日2ステージで2週間上演するわけです。
 2年前に心臓ペースメーカーの手術を受けながら、凄いパワーです。

 吉幾三は1952年11月11日、青森県北津軽郡金木町(現・五所川原市) に生まれる(62歳)。
 中学卒業後、「貧乏から抜け出したい一心で」東京にいた姉を頼って上京した。

 「うちはね、みんな中学しか出ていないんだ。兄姉たちはみんな集団就職でしたよ。僕は九人兄弟の末っ子ですよ。とにかく、青森から逃げ出したかった」とプログラムに書かれていました。

 皿洗いのアルバイトをしながら歌のレッスンに自転車で通った。
 1973年に山岡英二としてデビューしたが売れなかった。
 5年後に、当時所属していたレコード会社にデモテープとして預けていた「俺はぜったい!プレスリー」が、自分の知らない間に「吉幾三という歌手」のレコードとして発売された。

 1984年、千昌夫へ提供した「津軽平野」がヒット。
 同年11月には千のプロデュースで発売された「俺ら東京さ行ぐだ」が大ヒット。

 雪深い津軽から出てきて、中日劇場で2週間にわたって座長公演を行う。
 シンガーソングライターとしての才能もあったのでしょうが、こうなるまでどれほどの努力があったのでしょう。
 同じ金木町出身の太宰治は、長いあいだ実家からの仕送りで暮らしていましたからね。