名フィル第426回定期演奏会<オーケストレーションの魔術師たち-2>
2015年7月25日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

「REVIEW15」に戻る  ホームページへ
 
 
 名フィル第426回定期演奏会
 <オーケストレーションの魔術師たち-2>

 2015年7月25日(土)4:00PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指揮:マーティン・ブラビンズ
 バス・バリトン:サイモン・ベイリー

 リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲
 ムソルグスキー/ラスカトフ:歌曲集『死の歌と踊り』(日本初演)

 藤倉大:歌曲集『世界にあてた私の手紙』(オーケストラ版世界初演)
 ムソルグスキー/ラヴェル:組曲『展覧会の絵』

 こういうプロムラムこそが、世界のオーケストラを知るマーティン・ブラビンズ(名フィル常任指揮者)が名フィルに導入したいものだったのでしょう。
 僕はその姿勢を高く評価するものですが、現実問題として、なかなか辛いコンサートでした (^_^ゞ。
 チケットの売れ行きも悪いようで、高校生のブラスバンド部員?が穴埋めに招集されているようでした。

 『死の歌と踊り』は舞台の左半分を打楽器が占め、チェンバロ、ピアノ、チェレスタ、などの特殊楽器が並んでいる。
 それを見ただけで「どれほどのお金がこの曲のためにかかっているのだろう?」とため息が出てしまいます。
 この曲を聴くのは初めてですが、ショスタコーヴィチ始め多くの作曲家によるオーケストレーションがあるそうで、普通の編成で聴かせていただいても、十分に満足できたと思いますよ。
 サイモン・ベイリーはイギリス出身のバス・バリトン。
 颯爽と登場し、立派な歌唱を聴かせてくれました。

 藤倉大さんを名フィルコンポーザー・イン・レジデンスに選んだのも、ヨーロッパのオーケストラでは当然のことなのでしょう。
 藤倉さんは今年、2度目となる第63回尾高賞を受賞しておられますので、ブラビンズの評価は正しいものなのでしょう。
 しかし、現代音楽の通弊として何だか分からないし、字幕が無いので何が歌われているのかも分かりません。
 歌詞はプログラムに書かれているのですから、もう少し客席の照明を明るくしていただきたかったですね。

 最後の『展覧会の絵』は通俗名曲で、ルーチンの演奏かと思いました。
 通俗名曲を普通に演奏されても、面白くありません。
 7月18日の<マーティン・ブラビッシモ!Ⅱ>で聴いた《ばらの騎士》演奏会用組曲は素晴らしかったのにな。
 あれで名フィルは燃え尽きてしまったのでしょうか?