三澤洋史&愛知祝祭管弦楽団:マーラー『嘆きの歌』
2015年7月26日(日)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

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 1時から愛知県芸術劇場大ホールでミュージカル《サンセット大通り》を観劇後、4階のコンサートホールに移動します。
 三澤洋史&愛知祝祭管弦楽団という2013年8月に《パルジファル》を上演したコンビによって、マーラー初期の知られざる作品『葬礼』『花の章』『嘆きの歌』という3曲が演奏されるのです。

 マニアックな演目なのにお客さんは良く入っていました。
 「アマチュアオーケストラ恐るべし」ですね。

 マーラー:『葬礼』『花の章』
       『嘆きの歌』(1880年初稿版)

 2015年7月26日(日)4:00PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指揮:三澤洋史

 ソプラノ:基村昌代
 アルト:三輪陽子
 テノール:神田豊壽
 バス:能勢健司
 ボーイソプラノ:前川依子
 ボーイアルト:船越亜弥

 管弦楽:愛知祝祭管弦楽団
 合 唱:グリーン・エコー

 『嘆きの歌』は、グスタフ・マーラー(1860年~1911年)初期のカンタータ。
 作曲は1879年秋に着手され、1880年11月1日に脱稿されたそうです。
 この初稿は、ウィーン楽友協会による作曲コンクール「ベートーヴェン賞」の応募作として提出されましたが、ブラームスなど保守的な審査員に認められませんでした。

 その後、マーラーは数度にわたって楽器編成を縮小し、作品を短縮したりして、上演の機会を求めることになります。
 『嘆きの歌』の初演は、1901年2月17日にウィーンにてマーラー本人指揮のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によって行われましたが、評価は今一つであったと伝えられています。

 『嘆きの歌』は舞台下手にハープ6台が並べられ、なかなかの壮観です。
 ステージ上にはフルオーケストラと4人のソリスト、P席に合唱が並びます。
 舞台裏では19人のバンダが演奏します。
 
 初めて聴く『嘆きの歌』はメルヘン(グリム童話?)をカンタータ化したものでした。
 物語の朗読のように、オーケストラと語り手役の歌手一人がいれば成り立ってしまう内容で、それをここまで巨大な編成にしてしまったところにマーラーの誇大妄想的な異常性を感じます。

 熱演された三澤さんと愛知祝祭管弦楽団には申し訳ないのですが、今ではメロディーも思い出せません。
 視覚的に面白い舞台を見せていただいたとは、感謝しております。

 愛知祝祭管弦楽団は来年から《ニーベルンクの指環》全曲演奏に取り組むそうです。
 基村昌代さんがブリュンヒルデを歌われるようです。