川瀬賢太郎&神奈川フィル+名フィル 『レニングラード』
2016年6月27日(月)6:45PM 名古屋市民会館大ホール

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 <神奈川フィル+名フィル スペシャル・ジョイント・コンサート>
 ショスタコーヴィチ:交響曲第7番『レニングラード』

 2016年6月27日(月)6:45PM
 名古屋市民会館大ホール

 指 揮:川瀬賢太郎
 ピアノ:菊地洋子

 モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番
 ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」

 後半の「レニングラード」だけ聴く予定でしたが、協奏曲の第2楽章から入場させていただきました。
 協奏曲第21番(の第1楽章第2主題)は大好きです。
 ピアニストの菊地洋子さんは技術的にもしっかりとした方でした。
 
 休憩時間の間に、椅子がずらりと並べられました、
 この企画は名古屋フィルハーモニー交響楽団の指揮者であり、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者である、川瀬賢太郎さんの存在があって企画されたもの。

 弦楽器は10プルット編成で79人。
 第2ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスの首席は名フィルのメンバーでした。
 管打楽器は50人で、総勢129人。
 フルート、クラリネット、ホルン、トロンボーン、チューバ、の首席奏者が名フィルのメンバーでした。
 6月25日(土)の神奈川公演も同じ並び方で演奏されたそうです。

 ショスタコーヴィチの交響曲第7番は、1942年3月29日に「プラウダ」紙上にて「私は自分の第七交響曲を我々のファシズムに対する戦いと我々の宿命的勝利、そして我が故郷レニングラードに捧げる」と作曲者によって表明されたことから『レニングラード』という通称を持つ。
 レニングラード包囲戦1941年9月8日~1944年1月18日、ドイツ軍はレニングラードを900日近くにわたって包囲したが、レニングラードは包囲に耐え抜いた。
 飢餓や砲爆撃によって、ソ連政府の発表によれば67万人、一説によれば100万人以上の市民が死亡した。(Wikipedia)

 ところが、実際にこの曲を聴いてみると、あまり包囲戦らしい悲惨さ、痛切さが感じられませんでした。
 有名な「戦争の主題(チ~ンチ~ンプイプイ)」が12回繰り返されますが、小太鼓は「ボレロ」のパロディであり、ジャズ的なヴァリエーションも出てきます。

 この曲はソ連挙げての大キャンペーンにより、世界中で大成功を収めました。
 そしてショスタコーヴィチは自らの地位の安全を確保しました。
 しかし、「壮大な失敗作」との評価もあり、「スターリンに対する抗議だ」という説もあるそうです。

 僕の感想は、第1楽章は「レニングラード」という題名が無ければ、良い曲なのではないかと思います。
 第2~4楽章は余り面白くありませんでした。
 
 この曲には第2フルートに長いソロがあり、カーテンコールでは大谷加奈さんが立たされました。
 勝手にファンですから、嬉しかったですね。

 1時間半に近い演奏時間で、大いに疲労しました。
 オーケストラはもっと疲れているでしょうに、盛大なアンコール(『白鳥の湖』より「フィナーレ」)があったのには驚きました。

 川瀬賢太郎さんにはこのような貴重な機会を作っていただき、感謝の他はありません。