『オペラの魅力』 第30回記念ガラ/笛田博昭さん
2019年5月19日(日)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

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  『オペラの魅力』 第30回記念ガラ
 2019年5月19日(日)4:00PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 ◇ヴェルディ《オテッロ》Ⅱ幕、Ⅲ幕より
  オテッロ:上本訓久 デズデーモナ:杉浦葉菜
  ヤーゴ:岡本茂朗 カッシオ:山下玲皇奈
 ◇ヴェルディ《椿姫》より
  アルフレード笛田博昭 ヴィオレッタ:相羽紗季
 ◇ヴェルディ《エルナーニ》より
  エルヴィーラ:崔 利先 エルナーニ:岡田尚之
  ドン・カルロ:岡本茂朗 シルヴァ:松岡和人
 ◇ドニゼッティ《ルチア》より
  ルチア:松波千津子 エドガルド:上本訓久
  エンリーコ:牧野正人 アルトゥーロ:西影星二
 ◇ビゼー《カルメン》より
  カルメン:菅沼綾子 ホセ:安 賜勲
  ミカエラ:杉山和代
 ◇トマ《ハムレット》より
  ジェルトリュード:相可佐代子 ハムレット:岡本茂朗
 ◇ヴェルディ《ドン・カルロ》より
  ドン・カルロ:岡田尚之 ロドリーゴ:森 拓斗
 ◇ヴェルディ《運命の力》より
  アルヴァ―ロ:笛田博昭 ドン・カルロ:岡本茂朗
 
 ピアノ:石山英明 吉井あかね
 ヴァイオリン:鈴木祥子
 チェロ:城間拓也
 フルート:後藤美由紀
 エウロ・リリカ合唱団

 岡本茂朗さん主催の『オペラの魅力』シリーズも30回となりました。
 年2回公演しても15年ですか、大変なことだと敬服いたします。
 笛田博昭さん、中井亮一さん、伊藤貴之さんなど、今日の日本のオペラ界を担っているメンバーも、かつてはこのシリーズの常連でした。

 ハイライトですが、演技付き、照明付き、字幕付き、服装はタキシードとドレスでした。
 3階(自由席)はガラガラで、僕はいつものように最後列で聴いていましたが、声はよく届いてきました。
 男声優位でしたが、やはり笛田博昭さんの声には痺れます。

 《オテッロ》はストーリー的にも繋がっており、充実した舞台かと思いました。

 《ルチア》では、エンリーコ役の牧野正人さんの迫力ある歌唱が印象的でした。
 牧野さんを『オペラの魅力』シリーズで聴くのは初めてです。
 「狂乱の場」ではフルートの後藤美由紀さんがお上手かと思いました。

 《カルメン》では、ホセ役の安 賜勲さんが気に入りました。
 初めて聴く方ですが、韓国出身、ヨーロッパで活動し、現在は名古屋を中心に活動しておられるそうです。
 《カルメン》では伴奏にヴァイオリンとチェロが付きましたが、あまり聴かせどころはありませんでした。

 笛田さんと岡本さんの《運命の力》は昔よく聴いたことがあり(『笛田博昭観劇記録』では3~4回)、久しぶりの共演が懐かしかったですね。

 休憩時間15分を含め3時間半を超えるコンサートで、さすがに疲れました。
 これでは8月18日の愛知祝祭管弦楽団《神々の黄昏》が心配になります。

 「音楽の友」今月号(2019年6月号)142ページに笛田博昭さんのインタビューが載っています。
 笛田さんは「プッチーニやヴェリズモよりヴェルディやベルカントオペラに惹かれるけれど、日本では上演される機会が少ないため、海外で歌う道を切り開きたい」と語っておられます。
 6月9日にはスカラ座のピアニスト、ヴィンチェンツォ・スカレーラ氏とのリサイタルが予定されており、近い将来スカラ座の舞台に立たれるものと、期待しています。