新日本フィルハーモニー交響楽団 サマー・コンサート2019
指揮:井上道義 ヴァイオリン:辻彩奈
2019年8月24日(土)4:00PM 可児市文化創造センター

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 新日本フィルハーモニー交響楽団
 サマー・コンサート2019

 2019年8月24日(土)4:00PM
 可児市文化創造センター

 指揮:井上道義
 ヴァイオリン:辻彩奈
 管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

 ベートーヴェン/交響曲第6番 ヘ長調「田園」
 シベリウス/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
 シベリウス/交響詩「フィンランディア」

 可児市の名前は、最高気温のニュースでよく見られるところです。
 この日も大変暑く、井上さんもトークで「多治見から1番を取っちゃえよ」と言って受けておられました。
 でも、ウィキペディアによれば、今の最高気温は岐阜県 美濃市の41.0℃(2018年8月8日)なんだそうです。
 多治見市は第4位で40.9℃だそうです。

 また、可児市には明智城があり、明智光秀が主役の来年の大河ドラマ「麒麟がくる」で、観光客が増えることでしょう。

 さて本日のコンサート、チラシのキャッチコピーによれば、
 毎年恒例、地域拠点契約を結ぶ新日本フィルハーモニー交響楽団のサマー・コンサート。
 岐阜県出身のヴァイオリニスト・辻彩奈を迎え、初の登場となる井上道義が指揮を振る。

 辻彩奈さんは1997年大垣市出身(青墓小学校卒)。
 椙山女学園中学校(名古屋市)から、東京音楽大学の附属高校に進学。

 3歳よりスズキメソードにてヴァイオリンを始め、10歳でスズキテンチルドレンに選ばれ、東京、名古屋、松本にて独奏を実施。
 2016年、辻さんは18歳でモントリオール国際音楽コンクールという聞いたことの無いコンクールで第1位を獲得され、それからはあれよあれよという間に全国のオーケストラのソリストとなり、4月には、ジョナサン・ノット指揮/スイス・ロマンド管弦楽団のソリストとして全国ツアーを行なわれました。

 現在は東京音楽大学に特別特待奨学生として在学中。
 9月からパリに留学し、エコール・ノルマル音楽院にて尊敬するレジス・パスキエ氏に師事することになっているそうです。
 使用楽器は、NPO法人イエローエンジェル(宗次ホール)より貸与されているJoannes Baptista Guadagnini 1748。

 1月にバッハの無伴奏ヴァイオリン曲全曲のリサイタルを聴き、良く分からなかったのですが、今回はモントリオール国際音楽コンクールで優勝されたシベリウスのヴァイオリン協奏曲が演奏されるとのことで出かけました。
 会場はほぼ満席で、辻人気、井上人気でしょうか。

 最初の「田園」は細かいミスもあって、ベートーヴェンは難しいということでしょうか。

 お目当ての辻彩奈さんはスケールの大きい演奏で、技術的にもしっかりして、コンクール優勝者はこういうものかと思いました。
 フランス留学でなお一層の成長が望まれます。
 ソリストアンコールはシベリウス作曲:「水滴」という、チェロ首席とのピッチカートによる、可愛らしい二重奏でした。

 オーケストラの出来としては『フィンランディア』とアンコールの「カレリア組曲」より『行進曲風に』が良かったでしょうか。
 井上さんもノリノリでした。
 コンサートが終わっても気温は高く、重い楽器を持って、名鉄駅まで歩かれる団員の皆さまがお気の毒でした。