関西二期会 『カヴァレリア・ルスティカーナ』&『パリアッチ』
2020年2月23日(日)2:00PM) 東大阪市文化創造館

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 2018年6月18日、本番まで1週間を切るタイミングで発生した「大阪府北部地震」のために、会場の吹田メイシアターが使用できなくなり、中止となった関西二期会のオペラ公演が、新たに上演されました。
 演目は『カヴァレリア・ルスティカーナ』&『パリアッチ』。
 キャストや舞台はほぼ、当時のままだそうです。

 折しも新型コロナウィルスの流行で、またも公演中止になるのではないかと心配し、関西二期会のHPを毎日見ていましたが、特に掲示は無く、患者数15人の愛知から患者数1人の大阪に向かいました。

 新型コロナウィルスの流行では、3月7日、8日のびわ湖ホール《神々の黄昏》が心配です。
 ミラノスカラ座も休演したそうです。

 会場の東大阪市文化創造館は昨年9月にオープンしたばかりで、これが初めてのオペラ公演だそうです。
 外観も、馬蹄形のホール(座席:1500)も、開放感があり、オケピットを持つ素敵な劇場でした。

 最寄りの駅は近鉄八戸ノ里(やえのさと)。
 名古屋駅からおよそ2時間で、乗り継ぎが多かったですね。

 関西二期会公演 『カヴァレリア・ルスティカーナ』&『パリアッチ(道化師)』
 2020年2月23日(日)2:00PM)
 東大阪市文化創造館

 指揮:グイード・マリア・グイーダ
 演出:パオロ・パニッツァ

 『カヴァレリア・ルスティカーナ』
 サントゥッツァ:福原 寿美枝
 トゥリッドゥ:瀬田 雅巳
 ルチア:名島 嘉津栄
 アルフィオ:片桐 直樹
 ローラ:田村 香絵子

 『パリアッチ(道化師)』
 カニオ:小餅谷哲男
 ネッダ:森井 美貴
 トニオ:東 平聞
 ペッペ:西口 佳宏
 シルヴィオ:山咲 響

 合  唱 関西二期会合唱団
 子供合唱 メイシアター少年少女合唱団/神戸少年少女合唱団
 管 弦 楽 大阪交響楽団

 グイード・マリア・グイーダ指揮する大阪交響楽団が良かった。
 最初の弦楽器から、ハープまで一瞬で、シチリア島の世界の誘い込まれました。

 舞台は簡素なもので、それ自体に不満はありません。
 最初のカンツォネッタを歌うトゥリッドゥ:瀬田 雅巳さんは、少し弱かったでしょうか。
 サントゥッツァ:福原 寿美枝さんは、豊かな歌声と感情表現で、感銘を受けました
 ローラ:田村 香絵子さんが、目立つ演出でした。

 パオロ・パニッツァの演出は、合唱の出番が来ると登場し、歌い終わると退場するという、あまり感心しないものでした。
 しかし、全ての前奏曲、間奏曲にバレエや小芝居のサービスがあり、音楽を楽しみたい僕としては鬱陶しかったですね。

 しかし、サントゥッツァとトゥリッドゥの二重唱など大変盛り上がり、『カヴァレリア・ルスティカーナ』は最初から最後まで魅力的な音楽で満たされた、奇跡のような作品だと、改めて思いました。
 
 休憩時間に「カニオ:小餅谷哲男は体調不良ですが、歌います」というアナウンスがありました。
 小餅谷哲男さんというと、2008年4月27日 ザ・カレッジ・オペラハウス《リゴレット》で聴いた「女心の歌」の大失敗を思い出してしまい、本日のカニオも心配になりましたが、「衣装を着けろ」で不安定なところはありましたが、最後まで歌いきられました。

 トニオ:東 平聞(あずま としひろ)さんのプロローグは素晴らしい歌声で、田中 勉さんの後継者かと思いました。
 シルヴィオ:山咲 響さんも、魅力的な歌声でした。