中部フィル第72回定期演奏会 「モーツァルト後期”名”交響曲シリーズ」
2020年11月8日(日)3:00PM 三井住友海上しらかわホール

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 中部フィル第72回定期演奏会
 NAGOYAシリーズ①

 指 揮:秋山 和慶
 2020年11月8日(日)3:00PM
 三井住友海上しらかわホール

 交響曲第35番ニ長調 K.385 「ハフナー」
 交響曲第36番ハ長調 K.425 「リンツ」
 交響曲第38番ニ長調 K.504 「プラハ」

 今年は「ベートーヴェン生誕250周年」ですが、コロナウィルスの流行により中部フィルはNAGOYAシリーズ「ベートーヴェンツィクルス」を来年2021年に移行することになりました。
 そのため今年度のNAGOYAシリーズは「マエストロ秋山のモーツァルト後期”名”交響曲シリーズ」6曲となりました。
 これはこれで魅力的なプログラムです。

 第35番「ハフナー」はウィーンに転居した翌年の1782年にザルツブルクの名家ハフナー家のために作曲されたセレナードが基になった、煌びやかな曲でした。

 第36番「リンツ」は1782年コンスタンツェと結婚したモーツァルトが、1783年にザルツブルクに帰郷し、その帰途リンツで音楽会を開くために数日で作曲された曲。
 短期間で作曲されたとは思えぬ重厚な曲でした。

 37番はミヒャエル・ハイドンの作品で、モーツァルトは序曲のみを書いているとのこと。
 ミヒャエル・ハイドンはヨゼフ・ハイドンの弟で、ミヒャエル・ハイドンとネンネル・モーツァルト(モーツァルトの姉)の墓は、ザルツブルク城塞へのエレベーターの乗り場に並んでありました。

 僕は「レコード芸術」で宇野功芳さんの批評を読んで育った世代ですから、「プラハ」というと、どうしてもカール・シュリヒトの録音を思いだしてしまいます。
 そのためか「6大交響曲」の中で「プラハ」が一番好みです。

 本日も立派な演奏で、特に第2楽章が美しかった。
 秋山和慶さんの指揮で「6大交響曲」を制覇することが出来るとは、何と幸せなことでしょう。
 客席は市松模様で、それでも寂しかったですね。