名フィル第487回定期演奏会 指揮:川瀬賢太郎
〈「生誕250年記念 トリビュート・トゥ・ベートーヴェン」シリーズ/対話〉
2021年2月20日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール
 
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 名フィル第487回定期演奏会
 〈「生誕250年記念 トリビュート・トゥ・ベートーヴェン」シリーズ/対話〉
 2021年 2月20日(土)4:00PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指揮:川瀬賢太郎(名フィル正指揮者)

 坂田直樹(名フィル コンポーザー・イン・レジデンス):拍動する流れ-管弦楽のための[委嘱新作・世界初演]
 マーラー:交響曲第1番ニ長調『巨人』

 坂田さんは名フィルの第3代コンポーザー・イン・レジデンス。
 1981年京都市生まれ。
 愛知県立芸大、パリ・エコール・ノルマル音楽院などを卒業。

 「拍動する流れ」はキラキラと風鈴が鳴るような静かな音楽で、しばしまどろんでしまいました。
 不協和音の連続よりはずっと好ましい曲でしたが、それでも名フィルがこの曲を演奏することはもう無いでしょう。

 川瀬さんの「巨人」は相変わらずの素晴らしさで、全身をうねらせての指揮からマーラーの世界が沸き上がります。
 第3楽章のコントラバスのソロでは、ビブラートのかかった音が3階最後列まで響いてきます。
 確かにこのホールは広上さんが言われるように、全国でも有数のホールでしょう。

 フィナーレでホルン全員が立ち上がり、楽器を吹き鳴らせば、興奮もクライマックスです。
 曲が終わって、指揮者が退場しても、ホルンは立ったまま。
 と、安土さんが目を拭い始めました。
 「花粉症かな?」と見ていたら、ホルンの野々口さんの退団らしい。

 プログラムを読み返すと、野々口さんは1978年、22歳新卒で名フィル入団。
 雇用延長が導入され、65歳での退団です。
 これで古い時代を知るメンバーが、いなくなりました。