エンター・ザ・ミュージック 福井 敬 カラフ
2021年10月9日(土) テレビ番組

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 指揮者の藤岡幸夫さんが司会をしている、テレビ番組「エンター・ザ・ミュージック」
 10月9日の放送は「三大テノールの宴」のフィナーレ、福井 敬さんでした。
 「三大テノール」(関西フィル)は村上 敏明さんと笛田 博昭さん。

 藤岡さんと福井さんのトークがありまして、アシスタントの繁田美貴さんから「失敗談とかあったりするのですか?」という質問に「トゥーランドットです」という返事がありました。

 1幕の最後で銅鑼を3回鳴らすクライマックスの3回目でバチがポキンと折れて、頭がオクピットに落ちてしまった。高い楽器がどうなっただろうと心配して、ふと気がつくと手にはバチの柄だけが残っている。これどうしよう。あわてず隙間に投げ捨てて最後のトゥーランドット!を歌い上げたわけです。

 僕はこの場面を見ているんですね。
 栗山昌良さんの演出は愛知県芸術劇場大ホールの舞台機構を存分に発揮した、ゼッフィレッリのような豪華絢爛なものでした。
 
 プッチーニ 《トゥーランドット》
 1996年7月7日(土)2:00PM
 愛知県芸術劇場大ホール

  指揮:外山雄三  演出:栗山昌良

  トゥーランドット:岩永圭子
       カラフ:福井 敬
       リュー:菅 英三子

 第1幕の最後、トゥーランドットの名を歌い上げて、カラフは求愛の銅鑼を打ち鳴らします。
 1発2発と打ち鳴らす毎に、民衆たちが恐怖におののきます。

 そして最後の3発目を打ったとき、バチの先が外れてしまった(@_@)。
 外れたバチの先は静止した合唱団の足元をころころ転がって、何とオーケストラピットの中に落ちてしまいました。
 転がっていくバチをすべての観客が見て、ピットに落ちるのを知っているのに、セカンドヴァイオリンのHさんはそれを知らずに演奏し続けている。
 すべてが止まってしまったような、ちょっと不思議な世界でした。
 結局バチは奏者の間に落ちまして、われわれ観客はホッといたしまして、Hさんはビックリしていました (^_^) 。

 しかし3発目でよかった。
 1発目、2発目だったら、どうなっていたんだろう?

 25年も前のことですか。
 今でもカラフを歌い続ける福井さんは凄いですね。
 福井さんと忘れられない舞台を共有できたことは幸せなことでした。