パリ管弦楽団 クラウス・マケラ アリス・紗良・オット
 2022年10月20日(木)6:45PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

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 クラウス・マケラ指揮 パリ管弦楽団
 2022年10月20日(木)6:45PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指 揮:クラウス・マケラ
 ピアノ:アリス=紗良・オット

 ドビュッシー:交響詩「海」
 ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調
 ストラヴィンスキー:火の鳥(全曲)

 ホールに入るとステージ上には外国人がぎっしり。
 このような景色を見るのは何年ぶりでしょう。

 話題のクラウス・マケラは1996年フィンランド生まれ。
 26歳。
 シベリウス・アカデミーでヨルマ・パヌラに指揮を学ぶ。
 パリ管弦楽団と初共演は2019年。
 25歳にして音楽監督就任。今年が2年目。

 颯爽と現れたマケラは長身。
 手足も長く、スケールが大きい音が湧き出してくる。
 「海」は好きな曲では無いけれど、マケラで聞けて良かった。

 アリス=紗良・オットは1988年、ドイツ・ミュンヘン出身のピアニスト。
 父親がドイツ人、母親が日本人。

 2019年2月大学病院で多発性硬化症と診断されていたことを自身の公式サイトで公表しました。
 多発性硬化症といえばジャクリーヌ・デュ・プレですから、その恐怖心は想像にあまりあります。

 赤いドレスに裸足で現れたアリス=紗良・オットは元気そのもの。
 僕はラヴェルのピアノ協奏曲が大好きで、第2楽章のイングリッシュホルンのソロにはいつも泣けてきます。

 ソロアンコールは普通の日本語で「ラヴェルと同じ時代(同じ階と言ったような気もする)」に住んでいたサティの「グノシェンヌ」。
 アンコールを弾き終わると風のように去って行きました。
 運動障害は無さそうです。

 《火の鳥》の組曲は我がオケで演奏したことがあります。
 しかし全曲となると、無駄な部分もあるような気がします。
 パリ管は個人主義というのでしょうか、京都市交響楽団に較べると纏まりが無いような。
 ホルンのミスが目立ったかな。
 それでも「この指揮者で聴いて良かった」と思える、結構な演奏でした。

 演奏後「サンキュー」の言葉に拍手が湧き上がります。
 その後の説明は全く理解不能でしたが、始まったのは「ルスランとリュドミラ」序曲。
 普通の倍のテンポで快調に飛ばします。
 各楽器が現れたり消えたり。
 パリ管も遺憾なくその実力を発揮したでしょう。