京都市交響楽団 第13回名古屋公演 広上 淳一 佐藤 晴真
5月28日(日)2:30PM 愛知県芸術劇場コンサートホール
 
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 京都市交響楽団 第13回名古屋公演
 5月28日(日)2:30PM
 会場 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指 揮:広上 淳一
 チェロ:佐藤 晴真

 チャイコフスキー:イタリア奇想曲 作品45
 サン・サーンス:チェロ協奏曲 第1番 イ短調 作品33
 ビゼー:「カルメン」組曲セレクション
 ラヴェル:ボレロ

 1983年(昭和58年)8月27日、我がオケは「音楽教室」の指揮者として名古屋フィルハーモニー交響楽団・アシスタント・コンダクターの広上淳一さんをお願いしました。
 広上さんは1982年、第17回民音指揮コンクール入選。
 この時の1位は十束尚宏、2位に大野和士、入選者に山下一史。
 
 1983年、東京音楽大学卒業と同時に名古屋フィルハーモニー交響楽団アシスタント・コンダクター就任。
 外山雄三の下、1年間同ポストを務める。
 この名古屋フィル アシスタント・コンダクター・オーディションの最終選考では、佐渡裕とポストを争いました。
 1984年、第1回キリル・コンドラシン国際青年指揮者コンクールで優勝。

 我がオケを振っていただいたのはアシスタント・コンダクターに就任して3~4ヶ月後のこと。
 曲はビゼーの「アルルの女」他でしたが、スコアに頭を突っ込んで、オケを見る余裕も無い状態でした。
 僕は住所が同じ方向だったので、練習後には車で送りして、ファミリー・レストランで夕食をご一緒しましたが、「自分は将来指揮者としてやっていけるのか」心配しておられました。

 京都市交響楽団名古屋公演も13回となり、ずっと広上さんが振っておられましたが、このたび京都市交響楽団常任指揮者を辞任され、今回が京響との最後の来名となります。
 次回(来年)の指揮者は沖澤のどかさんでしょうか?
 それはそれで楽しみなことです。

 佐藤晴真さんは、1998年2月27日に名古屋市生まれ。
 4歳よりバイオリン、6歳よりチェロを始め、林良一氏に師事。
 名古屋青少年オーケストラ団員。
 多くの優秀チェリストを輩出している林良一門下、日本音楽コンクールの優勝者は多いのですが、佐藤さんは特別。
 2019年9月にミュンヘン国際コンクールチェロ部門で、日本人として初の優勝を勝ち取ったんですから。

 佐藤さんの演奏は正統派というか、素直というか。
 有名なドヴォルザークだったらまた印象は違ったかも。
 ソロアンコールはバッハの無伴奏という定番でした。

 京響の演奏は見事なものでしたが、「カルメン」組曲セレクションは短い曲が次々演奏されて、全体としてまとまりが無い感じ。
 「ボレロ」は5月13日に井上道義指揮の名フィルで聴いたばかりですが。ちゃんとした楽器配置の方が落ち着きますね。
 スネアドラム嬢は指揮者の前で演奏しましたが、「カルメン」では定位置でタンバリンを担当していました。
 これにはびっくりしました。
 タンバリンで「ボレロ」のスネアドラムのように、ピアノでリズムを演奏し続けるんですから。
 神業かと思いました。

 「ボレロ」は楽器によって難易度が高いことで知られています。
 弦楽器は初見でも弾けるんですけれどもね。
 圧倒的に難しそうなのはトロンボーン。
 由良三郎「運命交響曲殺人事件」被疑者の一人は「ボレロ」を降ろされたトロンボーン奏者でした。

 アンコールはドリーブの「コッペリア」からマズルカでした。
 久々に聴いて、懐かしかったです。