バーミンガム市交響楽団  山田和樹 チョ・ソンジン
2023年7月1日(土)3:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール
 
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 バーミンガム市交響楽団
 2023年7月1日(土)3:00PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指 揮:山田和樹
 ピアノ:チョ・ソンジン

 ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 Op.21
 ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 Op.27

 チョ・ソンジンさん、山田和樹さんというゴールデンコンビ。
 ショパンの2番とラフマニノフの2番という魅力的なプログラム。

 演奏前に山田さんのトークがあって、山田さんは幼少時期に尾張旭市や守山区に住んでいて、山田家のお墓は平和公園(我が家の近くだ!)にあるとか。
 バーミンガム市交響楽団の歴代指揮者は皆20代で常任指揮者になっているが、自分は40歳になって選ばれて嬉しい。
 山田さんは藤田真央さんに似ていて、藤田さんがチョさんに似ていて、「結果として山田さんとチョさんが似ている」ことになっているとか、などなど。

 チョ・ソンジンさんは、2015年第17回ショパンコンクールの優勝者。
 チョさんの音が限りなく美しい。
 第2楽章など夜空に煌めく星を見ているみたい。
 弱い音でも3階最後列まではっきり聞こえてくるのが不思議でした。
 アンコールはヘンデルのクラヴサン組曲。

 山田和樹さんは2009年にブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。
 2012年に初めてバーミンガム市交響楽団を指揮。
 2016年に来日公演を率いて、2018年からは首席客演指揮者を務め、2023年4月に首席指揮者兼アーティスティックアドバイザーとなる。
 ラフマニノフの交響曲第2番は、山田さんが2022年7月にバーミンガム市交響楽団を率いて「プロムス」にデビューしたときに披露した曲。

 山田和樹さん指揮するバーミンガム市交響楽団のラフマニノフはメランコリックでロマンティック。
 簡単に言えば、これ以上の演奏は考えられません。

 バーミンガム市交響楽団が今日のような名声を勝ち得たのはサイモン・ラトルの薫陶によるもの。
 そして、ラトルはベルリンフィルの常任指揮者となりました。
 山田さんもベルリンフィルへの道が開けるのでしょうか。

 コンチェルトもシンフォニーも、これほど素晴らしいコンサートは滅多に聴けるものではありません。
 オーケストラから指揮者へも熱烈な拍手があり、良い信頼関係を築けているようです。

 アンコールはエルガーの「夜の歌」という静かな曲。
 アンコールの後にもう一度指揮者の入退場があり、オーケストラは全員両手を振りながら解散しました。

 僕の前にアンコールに立ち上がる人がいて、舞台が見えなくなりました。
 感動を伝えたいのか、格好良いと思っているのか、いずれにせよ迷惑な人でした。
 「他人に迷惑をかけない」ことが重要だと思うんですけれどもね。