阪田知樹リサイタル しらかわホール最後の日
2024年2月29日6:45PM(木)

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 阪田知樹 しらかわホール最後の日

 2024年2月29日6:45PM(木)

 ベリオ :水のクラヴィーア(1965)
 ショパン:24の前奏曲 Op.28
 シューマン:クライスレリアーナ Op.16
 バルトーク:戸外にて Sz.81/BB89

 しらかわホールが最後の日を迎えました。
 今年は4年に一度のうるう年で、本日は「肉の日」だそうです。
 岸田首相の政治倫理審査会への出席が「大谷選手日本人女性と結婚」という臨時ニュースで吹っ飛んでしまった日となりました。

 さて、しらかわホールは1994年、住友海上火災保険(現・三井住友海上火災保険)が開業した700席のホール。
 コンサート用ホールとして質の高い響きを誇り、ソロからオーケストラまで多くの機会を提供してきました。

 最初に行ったコンサートは松尾葉子さんで、演目は忘れてしまったのですが、スピーチの最初に「2階席の女性はステージからスカートの中が見えますよ」と言われたのは覚えています。
 その後対策がとられたという話は聞きませんが……。

 三井住友海上火災保険は、維持費の負担などを理由に12階建てのビルごと売却する方針で、売却先や建物の存廃について「どういう形での売却がいいのか検討中」としているそうです。
 宗次ホール(300席)では小さいが愛知県芸術劇場コンサートホール(1800席)は大きすぎる演奏家の「名古屋飛ばし」が起きるかもしれません。
 代わりは「電気文化会館 ザ・コンサートホール」(定員395名)かもしれませんが、このホールは壁面にイタリア産大理石を使ったことが自慢で、風呂屋のように音が響くんですね。

 阪田知樹さんは名古屋出身で、同じく名古屋生まれの亀井聖矢さんと共に第32回出光音楽賞を受賞されました。
 1月23日に行われた授賞式の様子は2月24日の「題名の無い音楽会」で放送され、ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲を演奏しておられました。
 この曲は1月20日(土)の名フィル第519回定期演奏会で聴かせていただきました。

 阪田さんの演奏はスケールが大きく、抜群のテクニック。
 ショパンの前奏曲の第15番「雨だれ」の深い表現から超スピードで弾ききった第16番あたりが僕にはクライマックスだったでしょうか。

 アンコールはバルトーク「3つのチーク民謡」、ガーシュイン/E.ワイルド「アイ・ガット・リズム」。
 ここでスピーチがありまして、「ヘビーなプログラムで、普通ならここで終わるところですが、本日は特別な機会なので」ということで、最初のリサイタルのアンコールで弾いたというラフマニノフ「ここは素晴らしい処」が演奏されました。
 終演は9時を過ぎていました。

 CBCのカメラが入っており、3月1日の『チャント』で放送されました。
 3月18日(月)19時から立体音響で配信されるそうです。