名フィル第521回定期演奏会 〈古典派の継承〉
指揮:松井慶太 ヴィオラ:アン・レイレファ・ランジロッティ
2024年3月16日(土)4:00PM 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

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 名古屋フィルハーモニー交響楽団第521回定期演奏会
 〈古典派の継承〉

 2024年3月16日(土)4:00PM
 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

 指揮:松井慶太
 ヴィオラ:アン・レイレファ・ランジロッティ

 ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 作品56a
 藤倉大:ヴィオラ協奏曲『ウェイファインダー』[管弦楽版・世界初演]*
 ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 作品92

 3月11日に以下のメールが名フィルから送られてきました。
 「2024年3月の第521回定期演奏会へ出演を予定しておりました、指揮のアレクサンダー・リープライヒ氏は、高熱を伴う重度の副鼻腔炎と気管支炎のため、出演が不可となりました。代わって、松井慶太氏が出演いたします。曲目の変更はございません。」

 松井慶太さんは初めて聴きますが、1984年青森県八戸市生まれ。
 東京音楽大学指揮科卒業。これまでに指揮を広上淳一、汐澤安彦の各氏に師事。
 名フィルの音楽監督、川瀬賢太郎さんの同級生だそうです。
 名フィル地方公演の指揮は多くしているようですが、定期演奏会への急な初登場となりました。

 アン・レイレファ・ランジロッティ(1983年生)は、カナカ・マオリ(ネイティブ・ハワイアン)の作曲家・音楽家。
 藤倉大さんの曲は海図も計測機器も用いない遠洋航海をテーマにした作品だそうですが、ゆっくりタラタラした曲で終わった時にはほっとしました。
 演奏後ランジロッティはヴィオラのパートまで握手に行き、いい人みたいです。

 ソロアンコールはランジロッティ自身の作曲による『ko’u inoa(コウイノア)』。
 意味は「I am」「my name is」とのこと(ハワイの言葉)。
 無伴奏でアルペジオが最初から最後まで続き、和声が変わっていくというちょっと不思議な曲でした。
 ランジロッティはこの曲を舞台の端から端まで歩きながら演奏しました。
 この曲はもう一度聴いてみたいですね。

 松井慶太さんはしなやかな指揮で、好印象を持ちました。
 急な代役でプログラムの変更も無く大変だったでしょうが、演奏後は客席だけで無くオーケストラからも盛大な拍手を受けていました。
 デビュー大成功ですね。

 一方、この日は23年間で884ステージを務められたコンサートマスター日比浩一さんの最後の定期演奏会。
 会場はお祭り騒ぎでした。
 僕としては1999年3月27日に聴いたカレッジオペラ《アルバート・ヘリング》だったかな、たまたま席が隣になった日比さんといろいろお話しできたのが良い想い出です。