ロイヤル・オペラ・ハウス・シネマシーズン《蝶々夫人》 アスミク・グリゴリアン
2024年6月8日(土)1:45PM ミッドランドスクエアシネマ

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 ロイヤル・オペラ・ハウス・シネマシーズン 《蝶々夫人》
 2024年6月8日(土)1:45PM ミッドランドスクエアシネマ

 指 揮:ケヴィン・ジョン・エドゥセイ
 演 出:モッシュ・ライザー、パトリス・コーリエ

 蝶々さん:アスミク・グリゴリアン
 B.F.ピンカートン:ジョシュア・ゲレーロ
 シャープレス:ラウリ・ヴァサール
 スズキ:ホンニ・ウー
 ゴロー:ヤーチュン・ファン
 ボンゾ:ジェレミー・ホワイト
 ヤマドリ公:ヨーゼフ・ジョンミン・アン
 ケート・ピンカートン:ヴェーナ・アカマ=マキア
 ロイヤル・オペラ合唱団
 ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団

 モッシュ・ライザー、パトリス・コーリエによる演出は2003年に初演されたもので、今回が9回目の再演になるそうです。
 この演出は指揮:パッパーノ、蝶々さん:エルモネラ・ヤオによる公演がDVD化されており、《蝶々夫人》では僕が最もお勧めしたいDVDです。
 今回放映されたのは2024年3月26日の舞台だそうです。

 今回の注目は注目リトアニア生まれのアスミク・グリゴリアン。
 グリゴリアンは2018年のザルツブルク音楽祭《サロメ》で注目を集め、世界のオペラハウスで歌っている。
 《蝶々夫人》のアスミク・グリゴリアンは美人で歌唱も素晴らしければ、蝶々さんに成り切った演技も素晴らしい。
 ピンカートンの裏切りを知った時の表情を失った演技が、蝶々さんの絶望を見事に表している。
 メットライブビューイングのオポライスなんか、怒ってばかりでしたからね。

 スズキのホンニ・ウーは舞台での所作が美しい。
 しかし形から入ったような気持ちの流れに統一性がない感じで、DVDのエリザベス・デショングには及ばない。
 スズキの演技により蝶々さんの悲劇がより鮮明になるわけだから。

 こうなるとアスミク・グリゴリアンとエリザベス・デショングの共演が見たくなるが、2週後にメットライブビューイングで見ることが出来るようだ。
 2020年のメットライブビューイングでは、デショングは演出家に動きを抑制されているようだったが、今度は思う通りに動いて欲しい。

 シャープレスのラウリ・ヴァサール、ゴローのヤーチュン・ファンは声が良く出ていた。
 ピンカートンのジョシュア・ゲレーロも合格点を越えているだろう。
 十分なブーイングを受けていたから。