野外オペラとオーストリアの旅(5)1993年8月9日〜10日
大旅行へ出発 & ヴェネツィア(1)
※ワーグナー終焉の地,ヴェンドラミン館

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 いよいよ夜行に乗り、イタリアからオーストリア西部を回る大旅行の始まりだ。
 ホテルの部屋を出るときも『無事にこの部屋に戻ってくることが出来るのだろうか?』と身震いする思いだ。
 まずウィーン西駅でライゼゲペックをブレゲンツに向けて出す。 初めての経験なので緊張。

 22:22分発《サン・マルコ号》に30分前に乗り込む。 クシェットはとても狭い個室で、2段ベッドがある。
 ブルーの開襟シャツを着た人が来て、『パスポートプリーズ』という。
 パスポートを渡した後で、その人が本当に乗務員なのか、また朝食は別料金なのか、しばし悩む。
 車内を探検してみると、その人が狭い部屋でパスポートを積み上げて仕事をしていたので、差し当たりの心配は解消。

◇ヴェネツィア=8月10日(火)

 目が覚めたのは5時頃。ドロミテみたいな尖った山が見える。
 やがて朝食が出て(別料金は請求されなかった)、『旅情』の最初と同じ景色を見ながら、汽車はヴェネツィア・ サンタ・ルチア駅に到着した。
 両替をしてから 荷物をあずけ、外に出るとそこはヴェネツィア。すぐ運河が見える。
 乗船場で一日チケットを買って、ヴァポレット(定期船)に乗り込む。

 ヴェネツィア観光、まずはヴェンドラミン館。

 1883年2月13日、作曲家ワーグナー(69歳)は大運河に面したヴェンドラミン館で、心臓発作のため死亡した。
 2月16日、彼の遺体はゴンドラに乗せられヴェンドラミン館を出発し、特別列車でバイロイトに向かった。
 ヴェンドラミン館は一般に開放はされていないようだが、ワーグナーファンの僕としては少しでもその館に近づいてみたい。
 近くにヴァポレット降り場があるので下船して歩いてみたが、ヴェネツィアの道は迷路状態。
 すぐに行き詰まってしまった。
 仕方がないので、再びヴァポレットに乗り込み、船から写真だけを撮っておいた。
 壁にはワグナーのレリーフがはめられていたが、それにしても無念であった。
 ヴェンドラミン館では冬にカジノが開かれるそうだが、カジノは怖いな (^_^;。

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