野外オペラとオーストリアの旅(7)1993年8月10日
ヴェローナ
※ジュリエットの家,アレーナ,野外オペラ

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 ヴェネツィアを出発して、約1時間半でヴェローナ着。
 時間も迫っているのでタクシーに乗って、ジュリエットの家だけ見て(所用5分)、ホテルへ向かった。
 内庭のジュリエット像の胸に触ると幸運があるというので右の胸はテカテカになっている。
 コネコネ触って仲間におすそ分けをしている人もいた。


 ホテルにチェックイン後、ネクタイだけしめて、タクシーでアレーナへ向かう。
 まず、アレーナの前にあるCITで《カルメン》の予約券をチケットと取り替える。
 ところがコンピューターを叩いたお姉さんが「そのチケットは予約されてない」と言うではないか。
 チケットは《イタリア旅行社》で予約してもらったんだが、顔面蒼白。

  しかし当日券があったので一安心。
 ところが今度はリラが足りないので財布をひっくり返して大騒ぎ。 でもVISAカードが使用できたので一見落着。
 《イタリア旅行社》に払った料金は帰国後《日本旅行》を通じてちゃんと返してもらった。 まあ良心的だな、とは思った。

 アレーナは1世紀に建てられた巨大な円形劇場で、一番上に何ケ国かの国旗が掲揚されているのが見える。
 そして、馬に乗った数人のお巡りさん(?)が前に立っている。
 石畳の広い広いブラ広場の反対側にはたくさんのカフェが並んでいる。
 指定された入口から入ると壁の中に長い通路とトイレとカフェがある。 カフェはけっこう近代的。

 そしていよいよ場内に入る。2万人収容という広い空間だ。
 向こう側の端にセヴィリアの街の舞台がある。
 客席はおおまかにS席、A席、B席とあるとして(S席は平土間でクッション付きの椅子、A席は階段の下の方で木の椅子、B席は階段の上の方で石に座る)我々の席はA席の一番後ろ。
 すぐ後ろに柵があって、そこからはB席(自由席?)みたい。
 服装は、ドレスアップした人からTシャツの人まで様々。隣りのカップルはドイツ語を話している。
 B席ではビールやお菓子の売り子がいるが、柵から前には回ってこない。
 貸し毛布、貸し座布団あり。開演時間には、ほぼ満席となる。

 《地球の歩き方》に『開演前には客席には何千本というローソクがともされ、その美しさは例えようもない』と書かれているので、ローソクはどこにあるのか探したが、よく分からなかった。
 しかし開演前に前の席のおじいさんが振り向いて、火のついたローソクを1本くれた。
 そして突然照明が落ちると、そこは『例えようもない美しさ』の世界というわけだ。
 後から聞いた話では、ローソクは入り口近くに置いてあったそうだ。


 前奏曲が始まるが思ったより音が小さい。
 カルメンはマルタ・ゼン。
 他の人に較べると声がよく通るようだが、それでもよく聴こえてこない。
 2万席の会場でしかも天井なしでは、やはり大変だろう。
 それにこの演出は気に入らない。
 カルメンが歌っている間、合唱の人達はお話をしているんだ。
 まあ、街の人だから普通の世間話をしている感じで、ということなんだろうけれど、舞台の上の人に無視されているカルメンに僕は集中できない。
 カルメンにだけスポットを当てるとか何らかの配慮が必要だろう。

 終演は午前1時と書いてあったので、帰りの足も考えて、1幕だけでホテルに帰る。
 タクシーはブラ広場の反対側に5〜6台しか停まっていないので、終幕までいたらどういう事になるのだろう。

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