ニューヨーク・オペラとミュージカルの旅 96年5月5日
16) 《レ・ミゼラブル》

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 一幕で劇場を出て、《レ・ミゼラブル》のインペリアル劇場に移動します。
 劇場近くのデリで、またまたチーズケーキとマフィンを食べてみました。
 大きいし、時間も迫っているので、全部は食べ切れませんでしたが、ここのチーズケーキは大変美味しかった。
 8番街に面した店です。
 会計のお兄さんが『日本人か?』と訊くので『イエス』と答えると、『アリガト、サヨナラ』だって(^_^)。
 韓国人の経営するカラオケで働いていたんだそうです。

  《レ・ミゼラブル》 1996年5月5日(日)3PM インペリアル劇場

   ジャン・ヴァルジャン:イヴァン・ルーサーフォルド
       ジャヴェール:デヴィッド・メイセンハイマー
      ファンティーヌ:スージー・マクモナーゲル
       テナルディエ:ドリュー・エシェルマン
      テナルディエ妻:ジーナ:フェッラール
       ガヴロッシュ:アレックス・ストレンジ
        エポニーヌ:クリスティーナ・ミッシェル・リッグス
      アンジョルラス:ゲーリー・マウエル
         マリウス:キップ・マーカス
         コゼット:タムラ・ヘイドン

 キャストを書くのに疲れました。
 このミュージカル、実にたくさんの人が出てくるんですね。

 まず、最初に書いておかなければいけないのが、席のこと。
 僕の席は、第一列の上手側。
 この劇場のオーケストラピットは、舞台の下に入っているので、僕の席から舞台はすごく近い。
 エポニーヌが一番近づいたときで、1メートルくらいかな?
 スカートを引っ張れそう(^_^)。
 回り舞台の遠心力で、人が飛んで来そうなくらい迫力があるが、それだけ偏った見方になっているかも知れない。

 僕にとって《レ・ミゼラブル》は、《ミス・サイゴン》の次に好きなミュージカル。
 昨年観たロンドンの舞台には多大の感銘を受けたので、BWの舞台も楽しみにしておりました。

 ジャン・ヴァルジャンは代役。
 代役の場合は、プレイビル(プログラム)に説明の紙(代役ひとりにつき一枚)が入っているので分かり易い。
 この人は若くて少し小柄だが、歌はとても上手。
 加賀さんや滝田さんのファンには申し訳ないが、僕は日本のヴァルジャンもこれくらいのレベルの人で聴きたい、と思います。

 ジャヴェールは日本といい勝負。
 ファンティーヌは弱い。
 テナルディエはすごく上手で、酒場の場面では、笑わせてもらった。
 テナルディエ妻は、ふつう。

 ガヴロッシュの子役はすごく上手。
 最初エポニーヌと仲良くしていたので、ユーゴーの原作のように姉弟として演出しているのかも知れない。
 エポニーヌは日本並。
 アンジョルラスは背が高く金髪で声も良く、さすがの岡さんも負けているかも知れない。
 マリウスは代役だが、まあまあ。
 コゼットは声はいいが、あまり可愛くなかった。

 僕はロンドンの舞台では学生一人一人の存在感に、大変感心したんだけれど、BWはそれほどでもなかった。
 ロンドンではカーテンコールで学生たちにひときわ大きな拍手があったが、BWではそうではなかったので、これは僕だけの感想ではないと思う。

 特に目に付いたのが、グランテールの扱い(目の前にいたから)。
 この人は、カウボーイみたいな雰囲気で、いつもふてくされている。
 ガヴロッシュに声をかけられても、アンジョルラスに銃を差し出されても、いつも酒を飲みながら、ただふてくされている。
 そんなにイヤなら、酒場からもバリケードからも出ていけばいいのに、と反感を持ってしまった。

 このグランテール、最後も間抜けだよ。
 撃たれて落ちていったアンジョルラスを見るためにバリケードに駆け上がって、撃たれて死んじゃうの。
 最後には改心して、何かしてくれんじゃないか、と期待していたのに。

 他に気が付いたことでは、マリウスがコゼットに会いに行くところでは、塀を乗り越えたところでマリウスがつまずいて、コゼットに気付かれてしまう。
 ドギマギして逃げ出しそうになるマリウス、コゼットがそれを追いかける。
 と、マリウスが突然止まって、今度はコゼットがドギマギ、というところは面白かった。

 ということで全体としての印象は、期待したほどではありませんでした。
 まあ、期待が大きすぎたかも。
 ロンドンの方が、ずっと良かったですね。

 この劇場、トイレも売店も2階にしか無いので、休憩時間に、1階から2階にかけて、すごい列が出来ます。

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