バッハ街道の旅(7)2000年5月3日(火)
ゼンパーオパー 《仮面舞踏会》
 
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 いよいよ憧れのゼンパーオパー。
 立ち見席なので1時間前に行ってみたが、5階まで上がって『30分前しか開場しない』と言われてしまった (^_^;。
 で、2階のロビーに降りたんだが、また5階まで上がるのか、と思うと少々うんざりした。

 前にも書いたように、ゼンパーオパーのチケットを予約するのは大変難しい。
 5階席には日本人団体(東京のバッハ合唱団だそうだ)がいたので、どのようにしてチケットを手に入れたのか聞いてみた。

 彼らは劇場前でダフ屋から買ったそうだ。
 10マルク(500円)の席が100マルク(5000円)だったとか (@o@) 。
 20人に売れば10万円ちかい儲けが出るわけだ (@o@) 。

 365日営業できれば、年収3650万円か。
 彼らの席は馬蹄形客席の舞台に最も近い席だったが、そこからでは舞台の奥が見えないということで、休憩後は立ち見席に来た人もあったのはお気の毒。
 彼らとは、3日続きで会うことになる。

 ドイツの劇場では本ベルが鳴った後は勝手に空いた席に座っていいようで、立ち見席から移動した人も多かった。
 階段に座り込んでいる人も多かったので、クッションを持っていくといいかも。
 僕に劇場前で『チケット?』と声をかけてきた若い女性もいたので、それなりに開演前にチケットを手に入れることは出来るようだ。

 僕の席は、朝に確保した BANKPLATZ(立ち見席・写真下 ↓ )。
 劇場最上階だが、退屈なときは椅子に座ることができる気楽な席だ (^_^) 。
 


 さてゼンパーオパー、5月3日の演目はヴェルディの《仮面舞踏会》だった。
 《仮面舞踏会》のストーリーはヴェルディの他のオペラに負けず劣らず奇妙なものだ。
 惨劇の原因が『総督リッカルドとの許されぬ恋に悩むヒロインのアメーリアが、占い女のウルリカに言われて夜中に死刑台のある丘に草を摘みに行ったため』というのだから、唖然として笑うしかないね。

    《仮面舞踏会》全三幕  ゼンパーオパー/ドレスデン
         イタリア語公演/ドイツ語字幕
     2000年5月3日(水)19:00開演 21:45終演
             (第二幕後に休憩)

        指揮:シュテファン・ゾルテス
        演出:ペーター・コンヴィチュニー

      リッカルド:セルゲイ・クナエフ
       レナート:ツェリコ・ルーシッチ(読めない (^_^; ハンガリー語?)
      アメーリア:ソジャ・スモリャニノヴァ(?)
       ウルリカ:ビルギット・レンメルト
       オスカル:ロクサナ・インコントレーラ

 演奏が始まった途端、オーケストラのふっくらとした柔らかい響きに驚く。
 コーラスのレベルも高いと思った。
 歌手で良かったのは、レナート(総督の秘書・アメーリアの夫)とウルリカ。
ジプシー女ウルリカは青いロングドレスで (@o@) 、小姓(って男だろ? いくら女性が演じても)のオスカルは宝塚のラインダンスの衣装だった (^_^;。

 演出はペーター・コンヴィチュニー。
 人気演出家だそうだが、昨年ハンブルクの《ヴォツェック》を見て以来、僕は大嫌いなんだ。
 彼は作曲家の意図を表現するより、自分の勝手気ままが大事。
 こんな演出家は二度と結構だと思っていたのに、また当たってしまうとは (-_-) 。

 この《仮面舞踏会》の演出も当然おかしなものだったが、ストーリー自体がおかしいのでヴォツェックほどの不快感は感じなかった (^_^ゞ。
 それとも、こちらが慣れてしまったのか?
 『もう勝手にして頂戴』という心境だ (^_^;。

 あまり思い出したくもないが (^_^ゞ、皆様のためにおかしな演出の一部を書いておきましょうか。
 第三幕第一場の嫉妬に狂うレナートとアメーリアの二重唱は、テディベアを壊したりキャッチボールしながら歌われる (^_^;。
 第三幕第二場の仮面舞踏会で、コーラスは舞台奥に整列して歌い、広い舞台で踊るのは一組のダンサーだけ。
 仮面舞踏会無き《仮面舞踏会》だね。
舞台上では女性ばかりの弦楽五重奏が演奏していたんだが、レナートはそのチェロを取り上げて、エンドピンでリカルドを刺し殺す (^o^) 。
 で、女性チェロ奏者は凶器となった楽器を受け取って、何事も無かったように演奏を続けるわけだ (^_^;。

 ゼンパーオパーは値段が安い。高い席で5000円くらい。
 旧西ドイツのオペラハウスより、100マルク(5000円)は安いようだ。
 ライプツィッヒ歌劇場も安かったね。

 ドイツのオペラハウスでは『休憩時間は一度』というのが通例になっているのだろうか?
 その方が、終演が早くなっていいけれど。

 
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