バッハ街道の旅(11)2000年5月4日(水)
 ライプツィッヒ歌劇場 《ドミトリー》

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 ライプツィッヒ歌劇場は、外観はクラシックなオペラハウス風なんだが、内部は近代的な建物。
 ロビーが大変に広く、ネギ坊主のようなシャンデリアがまぶしい。
 客席はコンサートホールの椅子の配置で、名古屋なら市民会館の二階席まで、という感じかな。
 5月4日(木)の演目は、イタリアの作曲家、ルカ・ロンバルディ作曲の《ドミトリー》だ。
 
オペラハウス(再掲) 近代的なロビー

 僕は当然このオペラのことは知らなかったわけで、オペラの世界で『ドミトリー』といえばムソルグスキーの《ボリス・ゴドゥノフ》に出てくる偽ドミトリーくらいだろう。
 だから《ボリス・ゴドゥノフ》の続編か? なんて考えていたんだが、副題に『芸術家と行動』とあるように、作曲家ドミトリー・ショスタコーヴィッチが主人公であった。
 彼とスターリンの関係がこのオペラのテーマらしい。
 カーテンにはスターリンに処刑されたと思われる人々の写真(50枚くらい)が並べられていた。



     処刑されたと思われる人々の写真 →



     《ドミトリー または 芸術家と行動》 ライプツィッヒ歌劇場
    2000年5月4日(木)19:30開演  休憩なしで一時間半
      パルケット 右 16列24番 42マルク(2100円)

           指揮:マーチン・フラッツ
           演出:ウヴェ・ヴァント

         ドミトリー:ヘクター・ゲデス
         ドミトリー:ハンス=ディーター・ハイター
         スターリン:ヴォルフガング・ネヴェルラ
     ドミトリーの妻 :コーネリア・エントリンク
     ドミトリーの息子:ペーター・ディーンシュラーク


 二人のドミトリーは歌手と役者(どちらがどちらかは不明 (^_^;)。
 スターリンはかなりカリカチュアライズされており、彼の顔と手は赤く血塗られている。
 ショスタコーヴィッチは常にスターリンに圧迫され、悩んでいた。
 後ろからオカマを掘られる(失礼 (^_^;)場面もあった。

 他に出てくるのは、レーニン、トロッキー、J=S・バッハ (@o@) などなど。
 バッハはコーヒーを飲みながら歌っていたね (^_^) 。
 しかし、スターリニズムのもとで生活を送ったライプツィッヒの人々は、どのような思いでこのオペラを見ているのだろう?

 この日の観客は少なかった。 2〜300人かな?
 昨日ゼンパーオパーで会ったバッハ合唱団(20人くらい)とまた一緒になったんだが、彼らがいてくれて良かった。
 彼らだけで観客の一割なんだから (^_^) 。

 僕にはこういう音楽は分からないけれど、少ない観客にもかかわらず新しい作品を上演することは、現代のオペラハウスとして立派なことだと思う。
 ソリスト、指揮者、オケ、合唱、いずれもきっちりとした仕事をしていたのではないだろうか。
 カーテンコールでは一生懸命拍手をしておいた。
 でも、ライプツィッヒ歌劇場のカーテンコールにJ・S=バッハが出てくるのは何だか可笑しかったな (^_^) 。

 終演後、楽屋口の前を通ってホテルに帰るんだが、楽屋口から着替える必要の無いオケのメンバーが出てくる。
 路上駐車していた車で帰る女性や、楽器を背負って自転車で帰る男性や、あっという間に現実生活に戻っているね (^_^;。
 

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