ルートヴィヒ紀行(13) 2001年5月3日(木)
ベルク城 (シュタルンベルク湖の十字架)

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◇シュタルンベルク湖

 5月3日はシュタルンベルク湖観光(ベルク&ポッセンホーフェン)に出かけました。

 S6・トッツィンク行きに乗り、シュタルンベルク駅で降りれば湖は目の前で、乗船場があります。
 ベルク城のある東岸は、汽車が通っていないので、交通が不便。

 『地球の歩き方』にも舟で行くように書かれていますが、乗船場で時間を確認すると、ベルク行きの舟は3時間に1本くらいしかありません。
 仕方がないので、まずタクシーでベルクに向かいました。

◇ ベルク城とワーグナー

 1864年5月2日、借金取りを逃れ、シュトゥットガルトに潜伏していたワーグナー(51歳)は、ルートヴィヒ2世の使者プフィスターマイスターの来訪を受けました。

 彼は5月4日に王に謁見し、その援助を受けることになりました。
 王はワーグナーにベルク近郊のペレット荘を与え、毎日のようにベルク城に招いて語り合いました。

◇ ルートヴィヒ2世の溺死

 ルートヴィヒ二世は1886年6月11日深夜、ノイシュヴァンシュタイン城で精神異常として捕らえられ、6月12日の朝、そのままシュタルンベルク湖畔のベルク城に幽閉されました。

 6月13日の夕方、ルートヴィヒは精神科医グッデンと散歩に出かけ、そのまま戻りませんでした。
 必死の捜索の結果、午後11時過ぎに二人は溺死体として発見されました。
 グッデンの頭部、顔面には引っ掻き傷があったそうです。

 シュタルンベルク駅から10分ちょっと、22DM(1320円くらい)でベルク城前に到着。
 『ベルク城は舟からしか見ることは出来ない』とガイドブックに書かれているように、正門からは手前の建物が邪魔になって、お城は見えません(屋根だけ見える)。
 生け垣に沿って進むと『Votivkirche』という道標があり、そこから散歩道が始まります。

ベルク城正門? 正門右側の生け垣に沿って進む


 この道はしばらくベルク城の生け垣に沿っていて、それから林の中に入ります。
 道は一本道で、迷うことはありませんが、独りで歩いていると少し寂しい。
 湖はちらほら見える程度。

林を行くと 教会のテラスから


◇Votivkirche

 林の中を行くこと10分で、大きい建物がありました。
 これがルートヴィヒのために建てられたVotivkirche。
 そしてその教会のテラスに立つと、目の前にシュタルンベルク湖が開け、あの有名な十字架が立っているんですね。
 ルートヴィヒは侍医グッデンと散歩に出かけ、ここで溺死体として発見されたのです。
 歴史の現場に立ち会ったような感動を覚えます。

溺死体が発見された場所 振り返れば Votivkirche


 湖岸に出てみると、思ったより遠浅の浜辺で、ここで入水自殺するのは難しそう。
 暗殺説が出るのも無理のないことです。
 彼らは、それほど長い距離を散歩したわけではないのですね。

 この時、対岸のフェルダフィンクにあるホテル・カイザリン・エリーザベトに后妃エリザベートが駆けつけており、彼女が船でルートヴィッヒを救出しようとしたとする説もあります。

 さて、十字架の前でしみじみと感慨に浸った後、レオニ村まで歩き(10分くらい)、そこで遊覧船を待ちます。
 シュタルンベルク湖の対岸にはポッセンホーフェンの街、その左側にはフェルダフィンクの街が見えています。
 どちらも、ルートヴィヒと后妃エリザベートに関係の深い街です。

レオニから観光船に乗って フェルダフィンク と ポッセンホーフェン

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