前へ ホームページへ 紀行目次へ 次へ |
さて、夜は当然オペラです。 ボローニャ歌劇場は1998年以来、何回も来日公演をしており、日本でも馴染みの深いオペラハウスです。 しかし、現地ボローニャの歌劇場(テアトロ・コムナーレ)は客席が少なく、定期会員だけでチケットが売り切れてしまうため、日本のオペラファンの間ではチケットの取りにくいオペラハウスとして知られています。 当日券狙いの日本人に会いましたが、朝には天井桟敷しか残っていなかったそうです。 今回チケットが確保できたことは、JALワールドプレイガイドに感謝しています。 料金が高すぎるけれどね (^_^; 。
外から見るとポルティコを持つ実用的な感じの劇場でしたが、内部はこぢんまりとしとしながらも、いかにもヨーロッパのオペラハウスらしい華麗な装飾が眩いばかりです。 馬蹄形の劇場の2階以上はロジェ(個室)になっており、僕もロジェからの観劇です。 6人で一部屋でしたね。 ロビーや会場の人々を見ていると、我が町のオペラハウスを大切にしている、友人との社交場といった家族的な雰囲気を感じました。 隣のおばさんも会員だそうですが、今日はコメディなので孫たちを連れてきた、とのことでした。
上演されたオペラは、ロッシーニ作曲の《アルジェのイタリア女》。 アルジェの後宮に囚われの身となったイタリア女イサベラが、太守のセリムを騙して上手く逃げ出すというオペラブッファですが、内容に深みがあるわけではありません。 《アルジェのイタリア女》 テアトロ・コムナーレ 2007年5月3日 6:00PM 指揮:ミケーレ・マリオッティ 演出:ダリオ・フォ イザベラ:ダニエラ・ピーニ ムスタファ:ウンベルト・キューモ リンドーロ:ミケーレ・アンジェリーニ タッデオ:ブルーノ・タッディア ダリオ・フォの演出は、このオペラ・ブッファの喜劇性を強調したもので、鳥やライオンやいろいろな動物が舞台に出てきます。 これを人間が演じているのですが、下手。 必死の演技で、これでは学芸会です。 ムスタファのキューモは、一見オテロを思わせる精悍なルックスで、これではとてもパッパターチの儀式などに騙される間抜けな役には合いません。 もっと彼のキャラクターに合った役で見てみたい人でした。 女主人公イザベラのピーニは、太めの中年女性で、セリムが魅力を感じるのには無理があると思いましたが、難しいアリアを見事に歌いきったのには感心しました。 衣装をもう少し工夫すれば、印象も変わったでしょう。 マリオッティの指揮は覚えていません (^_^ゞ。 前日のオーレンとは大違いだとは思いました。
隣のおばさんに感想を聞かれたので、「動物がたくさん出てくるのでミュージカル《ライオンキング》のようだ」と答えたのですが、よく分からないようでした。 考えてみれば、ボローニャのような街でミュージカルは上演されないかもしれません。 日本の方が幸せな面もあるようです。 前に書いたように、この公演にもイタリア語の字幕が付いていました
|