◇シーン4 ゾフィー皇太后のサロン
『彼女か我々か』
これもスタジオ録音CDに無いナンバー。
驚いたことに、ゾフィーを初めとする宮廷の人々は、腰に大きな木馬を付けて現れる
(@o@) 。
床が格子になっているので、チェスのイメージか?
彼らはフランツ・ヨーゼフとエリーザベトの仲を裂くための相談をしている。
で、フランツ・ヨーゼフに浮気をさせよう、ということになったらしい。
◇シーン5 ウィーン市内・ヴォルフ夫人の娼婦館
『恥ずかしがらないで』
舞台は変わって、ウィーン市内・ヴォルフ夫人の娼婦館。
女主人のヴォルフ夫人が『恥ずかしがらないで。この館で何を気取っているの?』と歌うところへ、密命を受けたグリュン伯爵がやって来て、フランツ・ヨーゼフのために一人の売春婦(マドレーヌ)を選ぶ。
◇シーン6 シェーンブルン宮殿・エリザベートの体育室
『DIE MALADIE/病気』
エリーザベトが体育室で倒れているのを、女官が見つける。
『HILFE! EIN ARZT!(助けて、お医者さまを!)』ということで、ゼーブルガー医師がやって来る。
ゼーブルガー医師は王室の侍医で、エリザベートはあまり彼に心を許していなかったということだ。
ゼーブルガー医師は、彼とエリザベートの二人だけにすることを要求する。
そして、彼はエリザベートに、彼女の病気がフランス病(性病として有名な梅毒)である事を告げる。
そうか、そうだったのか\(^o^)/
スタジオ録音CDのリブレットを翻訳していて、ヴォルフ夫人の娼婦館の場面で、『密命を受けたグリュン伯爵が、infizierte Madeleine
を選んだ』というところがあったんだが、僕には『感染したマドレーヌを選ぶ』ということがどうしても理解できなかった。
そうか、そうだったのか。
グリュン伯爵が選んだ女性が、たまたま梅毒に感染していたんだね。
で、フランツ・ヨーゼフが彼女から感染してしまい、エリーザベトにも梅毒をうつしてしまったんだね。
ブリギッテ・ハーマンの『エリーザベト』(朝日新聞社・179ページ)によれば、当時からウィーンでは皇帝が若妻に性病をうつしたという根強い噂があるそうだ。
また、エリザベートが「あなたは皇帝の情事を取り持った」とグリュン伯爵をなじったという風説もあるそうだ(188ページ)。
フランツ・ヨーゼフに対する信頼を失い、あまりの不名誉に自殺まで考えるエリザベート。
ここでエリザベートは、ゼーブルガー医師がトートであることに気付く (@o@) 。
トートは『これが最後のチャンス。さあ、最後のダンスを踊ろう』とエリザベートを誘う。
梅毒の女性を誘うとはトートも怖いもの知らずだな (^_^;。
しかしエリザベートはトートの誘いを再び拒否した。
『彼(フランツ・ヨーゼフ)が犯した罪は、私に彼との鎖を断ち切る権利を与えた』とエリザベートは歌う。
彼女はウィーン宮廷を抜け出す口実をやっと見つけ、旅に明け暮れる『安らぎのない年』が始まった。
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