続・太宰治の『津軽』を巡る (12)大戸瀬崎 千畳敷 風合瀬 轟木 2009年9月21日(月) |
![]() 『津軽』で太宰は、西海岸について次のように書いています。 木造から、五能線に依って約三十分くらいで鳴沢、鰺ヶ沢を過ぎ、その辺で津軽平野はおしまいになって、それから列車は日本海岸に沿うて走り、右に海を眺め左にすぐ出羽丘陵北端の余波山々を見ながら一時間ほど経つと、右の窓に大戸瀬の奇勝が展開する。 大戸瀬崎は西海岸から岩木山が見える最後の場所でしょう。 海岸線は大きな岩で、岩の裂け目から海水が噴き出します。 突然列車の音がして、振り返ると五能線の列車がやってきました。 海岸からは線路が見えないので、驚きましたが、あわててカメラを取り出し、何とか写真を撮ることが出来たのはラッキーなことでした。
大戸瀬崎からもう2キロほど進むと千畳敷海岸です。 千畳敷海岸には平成5年に建てられた太宰治文学碑があり、先に挙げた「木造から、五能線に依って約三十分くらいで‥‥」という文章が刻まれています。 千畳敷については「岩盤が江戸時代の末期にお化けみたいに海岸に露出して、数百人の宴会を海浜において催すことが出来るほどのお座敷になったので、これを千畳敷と名附け‥‥」と書かれています。 「リゾートしらかみ3号」は千畳敷駅に10分ほど停車し、海岸を観光することが出来るそうです。
風合瀬(かそせ)海岸には道の駅『かそせいか焼き村』があり、たくさんの車が停まっていました。
風合瀬から南に降りた「轟木駅」は海岸にぽつんと建った、可愛い駅です。 この駅は「青春18切符 2002年春用」ポスターに使われ、有名になりました。 ちょうど五能線が到着する時間で、全国のナンバーを付けた車が5~6台停まっていました。
轟木海岸は五能線の中でも素晴らしい撮影スポットかと思いましたが、曇り空がいかにも残念でした。 青空か夕焼けの写真を撮りたかったですね。 簡単に行けるところでもなし‥‥。
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