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◇初めて《RENT》を観る方に(その2) このナンバー(RENT)の途中でモーリーンからマークに『パフォーマンスに使う音響機器が故障している』という電話がかかってきます。 やがて一人になったロジャーは『(エイズで)死ぬ前に何か偉大な曲を残したい』と歌います。 ここで登場するのが、キャット・スクラッチ・クラブのSMダンサーであるミミです。 彼女はドラッグを溶かすため、ロウソクの火をもらいに来たのです。 ミュージカル《RENT》は、100年前に作曲されたプッチーニのオペラ《ラ・ボエーム》を下敷きにしています。 そして、この場面は詩人ロドルフォの部屋へお針子のミミがロウソクの火をもらいに来る場面をそのまま取り入れているわけです。 《ラ・ボエーム》のミミは部屋の鍵を落とすんですが、《RENT》のミミはドラッグを落とすところが時代の違いですね (^_^;。 《ラ・ボエーム》のこのシーンでロドルフォによって「冷たいこの手」という有名なアリアが歌われます。 「cold hands」ですね。 続いてミミによって「私の名はミミ」という有名なアリアが歌われます。 イタリア語の歌詞「Mi chiamano Mimi」をそのまま英語に訳すと、「They call me Mimi」となるそうです。 このように《ラ・ボエーム》を知っていると、《RENT》の隠し味を楽しむことができますよ。 コンピュータ哲学者のコリンズとストリート・ミュージシャンのエンジェルという男性同士の熱愛カップルは分かり易いので (^_^;、説明の必要はないでしょう。 やがてベニーがやって来ます。 彼は家賃を免除する代わりに、今夜のモーリーンのパフォーマンスを止めさせるよう条件を出してきます。 ロジャーたちの住む建物の隣は駐車場になっていて、そこにはホームレスがテント村を作って暮らしています。 ベニーは彼らを追い出してサイバーアートのスタジオを作りたいのに、モーリーンはホームレス支援の抗議活動をしようとしているのです。 マークはモーリーンから電話で頼まれた音響機器の故障(ディレイがかからない)を直すために駐車場のステージにやってきます。 そこにいるのがジョアンヌ。 前にも書いたように、モーリーンはマークの恋人でしたが、先月彼女はマークを振ってジョアンヌのところへ行ってしまいました。 つまり、ここにいるマークとジョアンヌは恋敵なのです。 ここで歌われるのが『タンゴ・モーリーン』。 「tango」にはセックスをするという意味もあって、NYではここで笑いが起きるわけです。 次の場面はエイズ患者のグループ『ライフ・サポート』のミーティングです。 僕はニューヨークの舞台を見たとき、この場面が全く理解できず困りましたが、日本語なら大丈夫でしょう (^_^) 。 |