関西二期会第62回オペラ公演 《タンホイザー》全3幕
  2005年5月22日(日) 14:00開演 尼崎アルカイックホール

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 関西二期会が2000年に上演した《パルジファル》は、いろいろな賞を受けた、大変レベルの高い、素晴らしい舞台でした。
 その関西二期会が再びワーグナーに取り組むなら、見に行かないわけにはいきません。

 鈴木啓介さんのワーグナー演出は、名フィルの《ワルキューレ》、関西二期会の《パルジファル》と見ています。
 びわ湖ホールのヴェルディなどでは、あまり感心しないこともある鈴木演出ですが、ワーグナーについては信頼しておりまして、今回も楽しみに尼崎まで出かけました。

アルカイックホール アルカイックホール
アルカイックホール ロビー
ロビー 見やすいが、狭い座席


   関西二期会第62回オペラ公演《タンホイザー》全3幕
  2005年5月22日(日) 14:00 尼崎アルカイックホール

       指揮:大勝 秀也   演出:鈴木 敬介
          合 唱:関西二期会合唱団
          管弦楽:京都市交響楽団

            ヘルマン:木川田 誠
          タンホイザー:成田 勝美
          ヴォルフラム:萩原 寛明
           エリーザベト:垣花 洋子
            ヴェーヌス:小西 潤子

 抽象的な舞台装置にオーストドックスな演出。
 このような舞台は新鮮な驚きはありませんが、鑑賞の邪魔にもなりません。
 そうすると、結果の善し悪しは演奏次第、ということになるのでしょう。

 演奏については第二幕が素晴らしかった。
 第二幕冒頭、エリーザベトのアリア「歌の殿堂」で、がらりと舞台が変わったような気がします。
 エリーザベト役の垣花洋子さんは愛知県芸出身だそうですが、彼女に引っ張られたのでしょうか、他の役の声もどんどん出てきて、歌合戦も迫力のあるものになりました。

 歌合戦については合唱にも細かい演技がついておりまして、綿密な準備・練習があったものと推察されました。
 大人数の迫力ある合唱も良かったけれど、これだけの衣装や武器を揃えるのは大変なことだったでしょう。

 僕は歌合戦の舞台となったワルトブルク城に行ったことがありまして、「チューリンゲンの領主、ヘルマン‥」などという字幕が出ると、お城から眺めたチューリンゲンの森が思い出されたりするわけです (^_^) 。
 そういえば、歌合戦が行われた大広間には『大行進曲』がBGMで流れていました。

 第三幕冒頭で、タンホイザーに裏切られながらも神の許しを祈るエリーザベトには泣けましたし、ヴォルフラムの『夕星の歌』、タンホイザーの長大な『ローマ語り』も良かったですね。

 なにはともあれ大変に満足できた公演で、関西二期会には今後ともワーグナーを積極的に取り上げていただきたい、とお願いしておきましょう。

 幕間に20分ずつの休憩を取って、終演時間は6時でした。
 
 
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