新宿区民オペラ 《トゥーランドット》 2006年9月2日(土)3日(日) |
僕が笛田博昭さんのカラフを聴いたのは2003年12月17日、名古屋芸術大学オペラ公演《トゥーランドット》でした。 名前も知らない新人の、あまりにも見事な歌唱にびっくりして、それ以来彼の舞台を追いかけています。 その笛田さんが、いよいよ東京でカラフを歌うというんですから、どうしても聴きに行かなくては。 でも、7月のイタリア声楽コンコルソの喉の不調は治っているのでしょうか? 期待と不安で、勝手に応援団としてはストレスが多いです (^_^; 。 新宿駅東口から歌舞伎町を通って新宿文化センターに向かいます。 さすがの新宿で人通りは多く、雰囲気がちょっと怖かったです。
新宿文化センターは、1986年にキーシンの初来日、ショスタコーヴィッチの「ピアノ協奏曲」を聴き、「神様から才能を与えられた天才って本当にいるんだ」と、人生観が変わった思い出の会場です。 あれから20年ですか‥‥。
第12回新宿区民オペラ 《トゥーランドット》3幕5場 原語字幕上演 新宿文化センター大ホール 2006年9月2日(土)6:00PM 9月3日(日)2:00PM 指揮:宮松重紀 演出:園江 治 2日 3日 トゥーランドット姫:李 恩敬 生野やよい 皇帝 アルトゥーム:中原和人 山岡 健 タタール王 ティムール:山口俊彦 大澤恒夫 タタールの王子 カラフ:笛田博昭 東小野 修 タタールの奴隷女 リュー:西本真子 岩崎由美恵 書記官 ピン:星野 聡 小野弘晴 調達官 パン:丘山哲哉 高森弘明 調理官 ポン:辻端幹彦 山原卓実 合唱:新宿区民オペラ合唱団 演奏:新宿区民オペラ管弦楽団 プログラムには演出の園江治さんの経歴は書かれていないんですが、合唱など、出番があるときは整列して入場し、歌が終わると整列して退場するという、演出というよりは段取りでしょうか。 せっかくの公演なのに、惜しいことです。 宮松重紀さん指揮するオーケストラは、アマチュアにしては善戦していたのではないでしょうか。 コーラスの迫力とも相俟って、各幕のフィナーレなど大変盛り上がりました。 笛田さんは好調で声が割れることもなく、「誰も寝てはならぬ」を見事に歌いきったときには、本当にほっとしました。 リューが自殺してからのカラフとトゥーランドットとの二重唱は、プッチーニの死後アルファーノによって完成された、音楽的にはあまり面白くない部分です。 しかし、笛田さんの声は尻上がりにますます好調で、恐ろしいほどの迫力です。 これで東京の皆さまにも、僕が初めて笛田さんを聴いたときの驚きを分かっていただけたと思います。 リューの西本さん、ティムールの山口さんも素晴らしい歌声でした。 カーテンコールでは暖かい拍手とブラヴォー!が飛んでいましたが、副指揮者の指揮でフィナーレのコーラスが歌われると興奮はますます盛り上がります (^_^) 。 終演後は驚いたことにロビーに出演者が舞台衣装のままで現れまして、大混雑。 あちこちでフラッシュが光っていました。
3日は快晴なので、筑波山に登ってしまいました。 12時に筑波山頂を出発し、ロープウェイ、バス、つくばエクスプレス、JR、タクシーを乗り継いで、会場に到着したのは3時10分。 ちょうどトゥーランドットの有名なアリア「この宮殿の中で」の始まるところでした。 生野さんの声量があり、芯のある鋭い歌声は、まったくこの役にふさわしいものでしょう。 ただ、低い部分では少しビリ付きもあり、必ずしも絶好調というわけでもなかったようです。 この日はカーテンコールでフラッシュが光り、オケピットから写真を撮っているメンバーもいて、僕も記念に一枚撮らせていただきました。
まだ時間も早かったので、新宿末広亭で落語を聞いて、「追分だんご」をお土産に買いました。 このあたりは甲州街道と青梅街道の追分だったそうで、お土産は大変好評でした (^_^) 。
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