Vivava Opera Company ヘンデル作曲《デイダミア》
  2006年9月16日(土)3:00PM  伊丹アイフォニックホール

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 Vivava Opera Company の《デイダミア》、日本初演に行ってきました。
 土曜日とはいえ仕事のある身に伊丹は遠く、やっとの思いで10分前にアイフォニックホールに到着。
 昨年の《アルチーナ》日本初演は満席(定員502人)だったんですが、今年は9割くらいの入りでしょうか。
 全三幕で終演は6時10分との掲示があり、ロビーのあちこちで「帰りが遅くなる」と携帯電話をかけている人が多かった。

 《デイダミア》はヘンデル(1685〜1759)最後のオペラ(42作目)で、1741年(56歳?)に初演されました。
 この年は《メサイア》が作曲された年であり、この後ヘンデルは上演経費の少ないオラトリオを中心に作曲活動をすることになります。
 
伊丹アイフォニックホール 右手にバロックオーケストラ


 ヘンデル作曲《デイダミア》 原語上演・字幕付
    2006年9月16日(土)3:00PM
      伊丹アイフォニックホール

    指揮・演出・制作・小道具:大森地塩
 
     デイダミア:谷村 由美子
       ネレア:田中 希美
      アキッレ:福嶋 千夏
      ウリッセ:永木 るり子
    フェニーチェ:西尾 岳史
     リコメーデ:森  孝裕

    演奏:Baroque Ensemble Voc

 アキッレ(アキレウス)がトロイア戦争で死ぬと運命づけられていることを知った父王は、息子を親交のあるスキロス島のリコメーデ王の元に隠してもらうことにした。

 リコメーデ王はアキッレをピッラという名前で女装させ、やがてアキッレはリコメーデ王の娘デイダミアと愛を誓う仲となる。

 ところが、「アキッレが参戦しなければトロイアには勝てない」との神託を受け、彼を探し出す任務を帯びた大使フェニーチェと英雄ウリッセがスキロス島に派遣され‥‥

 文献に寄れば「アキレウスはプティア王ペレウスと海の女神テティスとの間に生まれ、スキュロス王リュコメデスの娘デイダメイアとの間にネオプトレモスをもうけた」そうで、ギリシャ神話は奥が深いですね。

 これは志の高い公演で、レベルの高いキャストが揃えられ、日本初演として申し分のない出来になっていました。
 タイトルロールのデイダミアには長大なアリアが何曲かあるのですが、谷村由美子さんは見事に歌いきっていました。
 アキッレの福嶋千夏さんはスレンダーな容姿、歌唱、演技とも、大変気に入りました。
 ウリッセの永木るり子さんは、手の動きがぎこちなかったでしょうか。

 カーテンコールの最後に大森地塩さんがマイクを持って現れまして、なななんと! 資金難のため今年でこの有意義な活動を一時停止するとのこと。
 なんと残念なことでありましょうか。

 近い将来の再会を熱望し、今回のスポンサーであるKINCHOに感謝しておきましょう。
 
カーテンコール 大森地塩さんの挨拶
 
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