Vivava Opera Company 《アルチーナ》 2005年9月11日(日) 伊丹アイフォニックホール |
日本でヘンデルのオペラを見る機会は少ないのですが、たまたまベルリン・コミッシェオパーで《サウル》、そしてバイエルン国立歌劇場で《リナルド》を見ることが出来、ヘンデルの重厚な音楽に圧倒されました。 今回はオペラ《アルチーナ》の日本初演ということで、伊丹まで遠征しました。 この上演は Vivava Opera Company によるもので、主宰者の大森地塩さんは、ドレスデン国立歌劇場で修業した人らしい。 2時30分にアイフォニックホールに到着したところ、ホールの前には長い列が出来ていました。 周りからは「座席が無いのでは?」と心配する声が聞こえてきます。 駆け足で座席を探しますが、4階までは遠かった (^_^;。
![]() ヘンデル作曲・オペラ 《アルチーナ(Alcina)》 全3幕 2005年9月11日(日)3:00PM 伊丹アイフォニックホール 指揮・演出・制作:大森地塩 アルチーナ:津山和代 ルッジューロ:野間直子 ブラダマンテ:木村まどか モルガーナ:木村直未 オベルト:中濱美佐 オロンテ:神田裕史 メリッソ:森 孝裕 アストルフオ:宅田裕彦 ブラダマンテは男装しリッチャルドと名乗り、婚約者のルッジェーロを探して、孤島にたどり着く。 島の女王アルチーナは魔力を持ち、ルッジェーロは女王の寵愛を受けていた。 舞台は奥のスクリーンに映像と字幕が投影され、右手にリュートも入った古楽オーケストラ。 左手に正体不明のオブジェがあり、制作に数十万円かかっていると見ましたが、これは無くても良かったような気もします。 ストーリー的には、主役の女王アルチーナは魔力を持ちながらもやけに弱気。 人間のルッジェーロに「行かないで!」とすがるなど、女王の威厳を損なう行動が多く、納得できない面がありました。 演奏の面では、最初は「演出は演出家を付けた方が良いかな」などと思って見ていたのですが、一幕最後のモルガーナのアリアで会場から自然に拍手が出るようになりました。 どの役にもアジリタの難しいアリアがあり、ヘンデルを演奏するのは大変そうですが、ルッジェーロとアルチーナのアリアも聞かせました。 今回の公演は《アルチーナ》の日本初演という意義深い公演で、楽譜の手配から暗譜に至るまで、多大な努力がなされたことと推察します。 しかし、歌唱のレベルは高いのに、それでもアマチュアっぽい印象があるのは、演出の問題でしょうか。 特に照明の使い方に工夫の余地があると思います。 それから、レシタティーヴォの時に指揮者は棒を振らないんですが、そのためオケの中だけでもズレが生じているようです。 これがバロックスタイルの演奏法なのでしょうか? |