特定非営利法人名古屋尾張地域市民オペラ振興会 『NCO』第2回公演
《パリアッチ − 道化師》 《カヴァレリア・ルスティカーナ》
2008年3月21日(金)6:30PM 長久手町文化の家森のホール

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 平日の夕方にはお仕事があるんですが、「日本のデル・モナコ」である笛田博昭さんの《道化師》カニオのロールデビューはどうしても見ておきたい。
 結局、仕事を途中で抜け出して、長久手に向かってしまいました (^_^ゞ。
 夕方の帰宅ラッシュを覚悟していたんですが、10分遅れで会場に入ることが出来ました (^_^) 。

長久手町文化の家 森のホール


 特定非営利法人名古屋尾張地域市民オペラ振興会
         『NCO』第2回公演
 《パリアッチ − 道化師》 《カヴァレリア・ルスティカーナ》

    2008年3月21日(金)6:30PM
    長久手町文化の家 森のホール

  指揮:山田信芳  演出:池山奈都子

 《パリアッチ − 道化師》
     カニオ:笛田博昭
     ネッダ:百々(どど)あずさ
     トニオ:イビケエフ・バキトベック
     ペッペ:永井秀司
  シルヴィオ:岡本茂朗

  《カヴァレリア・ルスティカーナ》
    トゥリッドゥ:加藤利幸
  サントゥッツァ:やまもとかよ
      ルチア:小坂井貴子
    アルフィオ:安田 健
      ローラ:山本 綾

 《道化師》は、申し訳ないが、ネッダの百々さんの動きが堅かったですね。
 『鳥の歌』でも、大地に根が生えたように、彼女は動こうとしません。
 シルヴィオとの二重唱、岡本さんがネッダの歌に敏感に反応するのに、百々さんにそれはありません。
 他のキャストとの絡みでも、ぎこちない印象が残りました。

 しかしネッダという役は、『鳥の歌』 → トニオとの二重唱 → シルヴィオとの二重唱、と出番が続き、歌手にとって負担が大きい役柄なのであろうと推察しました。

 お目当ての笛田さんは、期待通りの歌を聞かせてくれました。
 声の調子は万全ではなかったようですが、『衣装を付けろ』は迫力がありましたし、《道化師》とか《カルメン》とか、嫉妬に狂った殺人シーンは笛田さんにぴったりです (^_^) 。

  《カヴァレリア・ルスティカーナ》では、サントゥッツァ役のやまもとかよさんが良かった。
 やまもとさんは名古屋を中心に活動され、2004年には、びわ湖の夏・オペラ ビエンナーレ《ジプシー男爵》にも主演されました。

 声も上から下までよく出ていましたし、サントゥッツァの惨めさがよく出た演技も素晴らしかった。
 トゥリッドゥの加藤さんとの二重唱(大好き)は大いに盛り上がりましたが、最後に思い切り突き飛ばされたのには驚きました。
 やまもとさん自身も驚いたかもしれません (^_^) 。

 アルフィオとの二重唱で前半が終わり、そのまま有名な間奏曲になるんですが、サントゥッツァは舞台にうずくまり泣いています。
 彼女がサントゥッツァに成り切っていれば、ここで泣くのは当然だし、この泣き声はまったく音楽の邪魔にならないんです。

 久々に見る池山奈都子さんの演出は、間奏曲のように気に入った場面もありましたが、コーラスが出番になると出てきて歌い終わると去っていくような、アイディアに欠ける場面もありました。
 意味不明な小道具へのこだわりもあり、期待が大きかっただけに、残念な気もしました。
 コーラスはアマチュアですが、迫力がありました。
 
 
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