《ミス・サイゴン》 帝国劇場 2008年9月10日(水)1:30PM,6:15PM |
![]() 大好きなミュージカル《ミス・サイゴン》にやっと行くことが出来ました。 2004年の再演で見て以来、僕が世界で最高のキムだと思っている新妻聖子さんと、初めて見るソニンさんの二人のキムを一日で見る機会はなかなかありませんでした。 観劇前に上野の東京都美術館で『フェルメール展』を見てきました。 僕はフェルメールのどこが良いのかよく分かりませんが、入場は30分待ち。 ウィークデイだというのに、みんな仕事はどうなっているのでしょう (^_^ゞ? 《ミス・サイゴン》帝国劇場 2008年9月10日(水)1:30PM,6:15PM 1:30PM 6:15PM エンジニア 筧 利夫 別所哲也 キ ム ソニン 新妻聖子 クリス 藤岡正明 井上芳雄 ジョン 岸 祐二 坂元健児 エレン シルビアグラブ 鈴木ほのか トゥイ 石井一彰 泉見洋平 ジ ジ 池谷祐子 菅谷真理恵 4年ぶりに見る《ミス・サイゴン》は、やはり素晴らしいミュージカルでした。 美しい音楽とドラマチックなキムの悲劇に引き込まれ、3時間近くがあっという間に過ぎてしまいます。 エンジニアは筧さんも別所さんもそれぞれの持ち味を生かした役作りでした。 別所さん大きくなりましたね (^_^; 。 ![]() 物語の進行とともにどんどん熱が入ってきて、良いキムだったと思います。 マチネとソワレの間に食堂を探していましたら、ソニンさんの出待ちに遭遇しまして、サインをしていただきました (^_^) 。 新妻さんは歌も演技も全く素晴らしい。 迫力のある歌声を聴いているだけで感動するのに、田舎娘として登場する最初から最後の自殺に至るキムの気持ちを細やかに演じてくれて、申し分なし。 クリスに急に「一緒に暮らそう」と言われ、「いいわよ」と答えながらも、彼の本心が分からないいぶかしそうな表情。 単純に喜んでしまわないところに、新妻さんの深い考えを感じます。 新妻さんは終演後のトークで「キムの告白から『世界が終わる夜のように』までの感情の流れを大事にしたい」と言っておられました。 『サイゴン陥落の悪夢』のあと、バンコクに来たクリスに会える喜びを、結婚式の衣装に着替えながら、満面の笑顔で歌い上げるキムには泣けて泣けて。 数分後には彼女は絶望のどん底に突き落とされるんですから。 世界最高のキムの新妻さんも、30歳を過ぎると17歳のキムは難しくなるでしょう。 彼女もそのことは覚悟の上の一回一回の舞台だと思います。 歌舞伎で言う『一世一代』みたいなものですから、この機会に何回も見ておかないとね。 クリスでは藤岡さんの迫力ある歌声が良かった。 新妻さんと同じように、歌を聴いているだけでジーンと来てしまいます。 井上さんも再演の時に較べると、GIらしくなっていまして、よいクリスだったと思います。 ジョンは二人とも問題なし。 『ブイドイ』を高らかに歌い上げてくれました。 エレン役のシルビアグラブさんは《レベッカ》のダンバース夫人がとても怖かったので心配でしたが、タムに優しくしてくれそうで一安心。 鈴木ほのかさんは1992年の初演以来ということで、さすがに難しい面があったかと思いますが、本田美奈子さんや入絵加奈子さんのキムと歌ったエレンを再び聴くことが出来るのは、《ミス・サイゴン》ファンにとっては嬉しいことです。 トゥイは初演の時に「好きではない人とした婚約」というキムの歌詞(英語)を「嫌な人とした婚約」とひどい誤訳をされてしまい、嫌な人=暴力団のようなキャラクターになっていました。 再演の時の歌詞は覚えていないんですが、今回は「何も知らずした婚約」となっておりまして、それなりに改善されておりました。 しかし、今回の歌詞でも本当のトゥイを理解することは難しいでしょう。 トゥイは親が決めたキムの婚約者として、愛情に胸をふくらませてキムを迎えにやってくるのですから。 再演から演じている泉見さんが文句なしのお手本でしょうが、石井さんのトゥイも愛情にあふれていました。 知念里奈さんがインタビューで言っていたように、タムと一緒に3人で暮らすチョイスもあったでしょうに。 残念ながら一直線に悲劇が進むように、台本が良くできているんですね。 ジジの二人も良いできだったと思います。 池谷さんは美人だったけれど、ちょっと品がない菅谷さんの方がジジらしかったでしょうか。 今回の《ミス・サイゴン》はプリンシパルもアンサンブルも、実にレベルが高い。 いま世界でオリジナル版の舞台を見ることが出来るのは帝国劇場だけですから、世界中の《ミス・サイゴン》ファンに、この舞台を見ていただきたいです。 近い将来にブロードウェイで再演されるのなら、ぜひ新妻聖子さんに出演していただきたいものです。 |