《ミス・サイゴン》 2004年9月26日(日) 帝国劇場

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◇ミス・サイゴン(9/26)

 8月29日に1回目の遠征(昼・夜)をして、今回が2回目の遠征になります。
 9月20日に名フィルの《蝶々夫人》を観劇したばかりでもあり、いろいろ較べてみるのも面白かったですね。
          ミュージカル《ミス・サイゴン》
         2004年9月26日(日) 帝国劇場
             12:30     17:15
     エンジニア: 筧  利夫   橋本 さとし
       キ ム: 新妻 聖子   松 たか子
       クリス: 井上 芳雄   坂元 健児
       ジョン: 今井 清隆    岡 幸二郎
       エレン:  A N Z A     高橋 由美子
       トゥイ: 泉見 洋平    泉見 洋平
       ジ ジ: 杵鞭 麻衣   平澤 由美

帝国劇場ロビー キャスト表


 《ミス・サイゴン》の主役はキムとエンジニア。
 キムは新妻聖子さんが素晴らしかった。
 松たか子さんは大物すぎて、キャラクターが合っていない印象です。

 新妻さんを前回見たときも「声量のある人だな」と思っていたのですが、その後舞台経験を積んで演技が細やかになっている。
 結婚式にトゥイが乱入した後で、キムの「(アメリカに)行ってしまうのね」という問いかけに恋人のクリスは「命令だから」と答えます。
 絶望にうちひしがれるキム。
 しかし、クリスは「君と一緒に(アメリカに帰る)」と歌を続けます。
 それを聞いたキムの嬉しそうな顔。
 そして彼女はクリスに飛びついていくんですね。
 満面に笑みを浮かべ、幸せそうであればあるだけ気の毒で、後の悲劇を思って僕は泣けるんです。
 歌も演技も「世界最高のキムの一人」と言って間違いないでしょう。

 エンジニアは《蝶々夫人》には無い役で、狂言回しですね。
 筧さんは完全にこの役を自分のものにして、セリフの部分で遊んでいる。
 役に成り切っているから、もう何をしても受け入れられる境地です。
 彼の雇い主であるキャバレーのオーナーとの会話を紹介しましょう。
 オーナー 「(キャバレーの)客はどうした?」
 エンジニア「2階まで一杯です(劇場・客席のこと)」
 オーナー 「何を訳の分からないことを言ってやがる」
 ね、笑えませんか (^_^) ?

 ミシェル・シェーンベルクやロイド・ウェッバーが「現代のプッチーニ」とよく言われますが、現代オペラが不協和音に埋没していく中で、ヴェルディやプッチーニの衣鉢を継ぐ美しい旋律のオペラはミュージカルに求める時代になっているのでしょうか?
 また、オペラ公演は長くても数日で終わってしまうのに、ミュージカルは数ヶ月、長ければ数年もの公演が出来る、このことをどのように考えたらよいのでしょう?

 マチネでは、思いもかけないハプニングに遭遇したのですが、それは次のページで。
 
 
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