宝塚星組公演 《スカーレット・ピンパーネル》
2008年9月11日(木)6:30PM 東京宝塚劇場

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  ブロードウェイで上演された《スカーレット・ピンパーネル》は、当時ニフティの「海外ミュージカルの部屋」で話題になっており、一度見てみたいと思っておりました。

 この日は業界の会議に出席し、《ミス・サイゴン》のマチネの後半を見て、ソワレが 《スカーレット・ピンパーネル》という無駄のなさすぎるスケジュールです (^_^; 。

 女の園である宝塚劇場に入るのには勇気が要ったのですが、他にも男性の姿を見つけ、一安心しました (^_^) 。
 ロビーに小林一三翁の胸像があり、《宝塚ボーイズ》を思い出しました。

東京宝塚劇場 ロビー
小林一三翁の胸像  


    宝塚星組公演 《スカーレット・ピンパーネル》
   2008年9月11日(木)6:30PM 東京宝塚劇場

   作曲:フランク・ワイルドホーン
   潤色・演出:小池修一郎

  パーシー・ブレイクニー:安蘭 けい
  マルグリット・サン・ジュスト:遠野 あすか
  ショーヴラン:柚希 礼音

 プログラムの小池修一郎氏の解説によれば、ブロードウェイの《スカーレット・ピン パーネル》は宝塚にはふさわしくないので、宝塚版《スカーレット・ピンパーネル》を 作り上げたと、《エリザベート》の時に読んだような言葉が並んでいる。

 僕はそれは「改竄」だと思うんだが、宝塚的には「潤色」と言うらしい。
 そしてポスターには「ブロードウェイの興奮が宝塚の舞台に舞い降りる」などと、ちゃっかりブロードウェイを利用することは忘れない。
 《エリザベート》のときと同じ手口で、悪い予感がしましたよ。

 小池修一郎「潤色」によるストーリーが、予感どおりひどかった。
 舞台はフランス革命後期、ロベスピエール独裁時代のパリ。
 人気女優マルグリットは舞台の上で突然、自分は引退し、イギリス人のパーシー卿と結婚すると発表する。
 この現実離れした最初のシーンで僕はしらけてしまいました。

 このパーシー卿は実はスカーレット・ピンパーネルで、一週間以内にルイ・シャルル (ルイ16世とマリー・アントワネットの息子)を助けるため、新妻には内緒で仲間を募り、パリに渡る。
 一週間以内に捕らえられた王子を助けるなどという大作戦を考えている人間が、結婚式なんかするものでしょうか?

 僕は『紅はこべ』は、鞍馬天狗のように悪い人を格好良くやっつけるアクションドラマだと思っていたのに、新妻の裏切りに悩み苦しむ夫の話になっていて、びっくりしました (@o@)。
 確認のために原作を読む元気もありませんけれどもね。

 それ以後も納得できないエピソードの連続で、近づいてくる台風13号も心配だし、なによりこんなうっとうしい話を見ていたくもないので、休憩時間に救われた思いで劇場を出ました。

 《ルドルフ・ザ・ラストキス》の作曲家でもあったワイルドホーンの音楽は悪くはな いが、《ミス・サイゴン》のシェーンベルクには遠く及ばないものでした。

 主役の安蘭けいさんは、美貌、歌唱、演技、全てが揃って素晴らしい。
 他のメンバーのレベルも高く、もっと別の作品で見てみたいものです。
 
 
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