METライブビューイング2008-2009
ジャコモ・プッチーニ作曲 《つばめ》
2009年2月1日(日)10:00AM ミッドランドスクエアシネマ

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 今回の演目は、プッチーニ作曲《つばめ》という珍しい演目です。
 この作品は1917年、モンテ・カルロ歌劇場にて初演されました。
 ちなみに、《蝶々夫人》は1904年、《西部の娘》は1910年、《三部作》は1918年に初演されました。

  メットライブビューイング2008-2009
   ジャコモ・プッチーニ作曲 《つばめ》
  2009年2月1日(日)10:00AM
    ミッドランドスクエアシネマ

 指揮:マルコ・アルミリアート 演出:ニコラ・ジョエル

   マグダ:アンジェラ・ゲオルギュー
   ルッジェーロ:ロベルト・アラーニャ
   プルニエ:マリウーシュ・ブレンチュー
   リゼット:リゼット・オロペーサ
   ランバルド:サミュエル・レイミー

 1920年代のパリ。
 銀行家ランバルドの愛人であるマグダは初めてパリへ来た青年ルッジェーロと愛に落ち、コート・ダジュールで暮らすが‥‥。
 初演がモンテカルロ歌劇場、第三幕がコート・ダジュールというところが、年末に旅行してきた僕にとってはツボですね (^_^) 。

 開演前に支配人のP・ゲルプが現れて、「ゲオルギューは調子が悪いが、歌います」というアナウンスがありました。
 今回の案内役はルネ・フレミング。
 休憩時間には恒例のキャストへのインタビューがあり、喉の調子が悪いと言いながら、ゲオルギューはおしゃべりで (^_^; 、積極的に答えており、中身が濃いものでした。

 ゲオルギューは「喉の調子は悪いけれどこの機会を逃したくなかった」と語っていました。
 夫妻はこの劇場で結婚式を挙げたそうです。

 この珍しいオペラが上演されるようになったきっかけは、アラーニャとゲオルギューのCD(指揮:パッパーノ)が好評だったこと。
 ロイヤル・オペラハウスでの公演も好評で、メットでも上演しないかと売り込んだとのこと。
 プッチーニはアラーニャ夫妻に感謝しなくてはね。

 「役柄はマノンとヴィオレッタの間で、でも私は死なないの」。
 「ストーリーがないと言うけれど、そんなことはない」とゲオルギュー。
 僕の印象としては、ストーリーは月並みだが、プッチーニの音楽は美しい、というところですね。

 声は確かに不調でしたが、ゲオルギューは有名な『ドレッタの美しい夢』など頑張っていました。
 第三幕になるとアラーニャの声もおかしくなりまして、夫婦で風邪でしょうか。

 もう一組のカップル、詩人のプルニエと小間使いのリゼットも良かった。
 プルニエのブレンチューはゲオルギューと同じルーマニア出身で今回がメットデビュー。
 芯のある歌声で、ロドルフォなどにぴったりでしょう。
 彼はこの作品の聴き所として、第2幕の四重唱を挙げていました。

 リゼットのオロペーサはメットの研修生あがりで、スザンヌの代役でデビューしたそうです。
 小間使い役者になりそうだと言っていました。

 フィナーレまで10分残したところでタイムアウト。
 新幹線に乗って、3時からの藤原歌劇団《ラ・ジョコンダ》に向かいました。
 
 
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